Only One〜The Power of Love
  作者: 神湖   2012年03月25日(日) 18時06分46秒公開   ジャンル:SF
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「奇跡の遭遇」

コミンは町はずれのカフェで働いていた。今日は一人で店番だ。        
端の席に座る人相の悪い客二人にビールを持って行くコミン。                     
「昼間っからビールかよ」と思いながらテーブルに近づく。

二人は言い争いを始めた。立ち上がり取っ組みあっている。
コミンに気づく様子もなく更に怒鳴りあい、一人が銃を持ち出し撃とうとした。
銃を見て驚いたコミンは後ずさりした勢いでビールをこぼしてしまう。

次の瞬間、コミンは右胸が熱いことに気づく…朦朧として倒れる…
かすかな意識の中…一人の男性が胸に手を当て目を瞑っている。       
熱さと痛さが引いて行く。

「このことは内緒だよ」
そう言って男性は去って行った。

銃声を聞いた近隣住人が呼んだのか、警官が店にやってきた。
「銃声がしたって」
「…えぇ…いいえ、聞き間違いです」
「通報があったんだ」
「あ〜店で流していたDVDですよ」
「そうなのか?全く人騒がせだ!」
「すみません、お帰りください」

警官は腑に落ちない顔で帰って行った。

でも間違いではない、確かに端の席で…
確かめるように右胸を触る…痛さはないが感触が残っている。
奥に行って服を脱ぎ、鏡を見る…
「何これ???」

手形が残っている。
「さっきの人だ、探してお礼を言わなくちゃ」

どうしても彼に会わなきゃと、店を辞め旅に出ることにしたコミン。
記憶に残る彼の似顔絵を描き、数日分の着替えを持った。

近くのホテルや酒場に似顔絵を見せるが、なかなか手掛かりは見つからなかった。
あの時の記憶を辿る…
そう、駐車場にはバイクが二台。あのバイクは例の二人の乗ってきたバイク。
と言うことは、あの彼は歩いてきたんだ。
隣町までは相当な距離がある、きっとまだこの町に居る。
日も暮れてきたので、近くにあったモーテルに泊まることにした。

「身なりはきちんとしてたから、こんなとこには泊まってないよな」
そんなことを思いながらも念のため、似顔絵を受付のおばさんに見せてみた。


「すみません、こんな顔の人が最近泊まってませんでしたか?」
「うん?あ〜似てるね、数日前から泊まってるよ」
「ホントですか?どの部屋ですか?」
「いちばん端の部屋、108号室だよ」
「有難うございます!」
「あ〜お姉さん!出かけてるみたいだよ」
おばさんの言葉も聞かずに108号室をノックする。
「あの〜〜〜いらっしゃいますか?」
「・・・」
ノブを回すが鍵がかかっている。

受付に戻ったコミンは再度おばさんに尋ねる。
「出かけてるんですか?」
「さっき言ったよ、まったく聞いちゃいないんだから」
「戻って来ますか?」
「一昨日から1週間分の料金を先払いしているから戻るんじゃないかね」
「じゃあ、あたしも泊まります。隣の部屋を取ってください」
「はいよ」

早速107号室に入り、彼が帰ってくるのを待つことにした。
シャワーを浴びようと服を脱ぐ。胸には彼の手形がくっきり残っている。
確かに銃弾は私の胸に…
シャツには血も付いていたから撃たれたのは事実だ。


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