『少林学園 武侠兄弟』其の七〜学園存続の危機!?それぞれの旅立ち 後編
  作者: ミコ&hiyoko   2017年02月26日(日) 23時25分18秒公開   ジャンル:総出演
【PAGE 2/4】 [1] [2] [3] [4]



第六章 by ミコ

−時は少し遡る−

片付けもすっかり終わったヒトミは街角のカフェにスーを呼び出した。

ヒトミ
「ごめんなさい、兄さん。忙しくなかった?」

スー
「資料整理も終わったし、近頃平和だからな。で、なんだ、話って?」

ヒトミ
「レンマのことはヤム署長さんから聞いたでしょ。なにか言ってた?」

スー
「あぁ。惜しい人材だったってちょっと残念そうだったよ」

ヒトミ
「もしワタシが余計な口添えをしていなかったとしたらレンマはあの話を受けたかしら?」

スー
「いいや、お前がなにも言わなくてもレンマは学園に残る道を選んだと思うよ」

ヒトミ
「だとしたらこの原因はすべてワタシにあるわ」

スー
「うん、、、お前の気持ちは嬉しかったにせよ、あいつも男だからな。自分で決めたことに下手な横槍を入れて欲しくなかったんだろうな」

ヒトミ
「レンマに天廩署で働いて欲しかった理由はひとつなの」

スー
「俺のことだと言いたいんだろ?なぁ妹よ、俺のことであいつと揉めるのを俺は見たくない。たとえ義理であっても俺はお前の兄であってキンゾウの息子だ。あいつが勘違いするようなことはもうするな。いいな」

ヒトミ
「このまま行くべきかしら?それとも、、、」

スー
「後悔しない道を選べ。素直になれ」

ヒトミ
「兄さん、ありがとう」

スー
「おっ、ユーロから呼び出しのメールだ。そろそろ行くよ」

二人はカフェをあとにし、別方向に別れた。

−今に至る−購買部では・・・

みに
「こんにちは。新しい機械の設置に来ました」

おばちゃん
「待ってたのよ。みにさん」

ひかり
「新しいガチャガチャですか?なにが出て来るの?」

みに
「武侠&功夫キャラが勢ぞろいですよ」

ひかり
「わぁ、これはドラゴン危機一髪の時のブルースね。欲しいわ〜」

紫苑
「わたしはこの銀髪のアンディかな。ゴッドギャンブラーラスベガス大作戦の時よね」

ひかり
「ミーコさんが欲しいの、当てましょうか?」

おばちゃん
「いいわよ、当ててみて」

ひかり
「この結髪で裾を捲り上げてる浪子燕青のウーさんでしょ?」

おばちゃん
「当たり〜!なんでわかったの?」

ひかり
「だってこの間、動画サイトを食い入るように観てたの知ってるもん」

紫苑
「そうだ、みにさん。来月の卒業式イベントのお話は聞いてる?」

みに
「いいえ」

おばちゃん
「また学園関係者が全員参加の武侠ドラマをやることになってね。今、脚本を書いてるのよ。どう、出られそう?」

みに
「三月は新製品の配達で忙しいのですが、是非とも参加したいので時間を作りますね」

マンチェク
「こんにちは、ミヤコさん。夕方、法海師匠と無忌が戻るので、献立はお任せしますので膳を三脚用意してもらえませんか」

おばちゃん
「畏まりました」

みに
「では、次の納品があるので私も失礼します」

マンチェク
「では、あとで取りに伺います」

みに
「マンチェクさん、待って!なんか元気ないわね?」

マンチェク
「そ、そうですか?」

みに
「お昼は召し上がった?まだなら一緒にいかがかしら?」

マンチェク
「あっ、はい」

みに
「前に行った飲茶のお店にまた行きたいの、いい?」

マンチェク
「はい」

−飲茶楼、南天楽−

みに
「さっき、紫苑さんたちに聞いたんだけど、卒業式イベントでまた武侠ドラマをやるんですってね。私も出演依頼をもらったのよ。もちろんマンチェクさんも出るわよね?」

マンチェク
「えぇ。全員参加ですから」

みに
「そうそう、マンチェクさんは進路決めたの?あぁ、まだ卒業じゃなかったわね」

マンチェク
「あと一年武術を学んだら、仏法講師の修行を本格的にやるつもりです」

みに
「無忌くんがひかりさんのお寺への婿入りが正式になるまでの間だってことね?」

マンチェク
「えぇ」

みに
「ねぇ、私といてつまらない?」

マンチェク
「そんなことあるわけないじゃないですか。どうしてそんなこと言うんですか?」

みに
「だって、なにも話してくれないんだもの。さっきから私ひとりで喋ってるわ」

マンチェク
「みにさん、どうして俺のことを誘ってくれたんですか?」

みに
「マンチェクさんと飲茶が食べたかったからよ」

マンチェク
「飲茶だからですか?じゃあ、もし俺が座禅をしに箱根にドライブに行きたいと誘ったら付き合ってくれますか?」

みに
「もちろんよ。いつ連れて行ってくれるの?来月は年度末で忙しいから出来れば今月中がいいわ」

マンチェク
「それは座禅が好きだから?それとも箱根?あっドライブですか?」

みに
「座禅はすっごく好きな訳じゃないけど、箱根にドライブなんていいなと思って。何故誘っておいてそんなこと聞くの?マンチェクさんって面白いわね」

マンチェク
「じゃあ、もし誘ったのがレンマだったら行きますか?」

みに
「レンマさん?まぁ、そんなはずは絶対ないと思うけど誘われても行かないかな」

マンチェク
「箱根にドライブが好きでもレンマとじゃ行かないってことですか?」

みに
「そうよ、マンチェクさんが誘ってくれたから行くのよ」

マンチェク
「じゃあ、次のみにさんの休みでどうですか?」

みに
「いいわよ。あっもうこんな時間。次の納品があるからそろそろ行かなきゃ。今度の土曜がお休みなの、10時頃学園まで来ればいい?」

マンチェク
「ハイ。では待ってます」

みに
「誘ったのは私だから払っておくわね。じゃあお先に、ゆっくりして行って」

マンチェク
「俺も無忌たちの出迎えがあるので一緒に出ます」

店を出たみには軽トラに乗り次の得意先に向かった。

レンマ
「マンチェク、一人で昼飯か?」

マンチェク
「あぁ、いやっ、みにさんと食べた」

レンマ
「おっ。僕の助言をすぐに実行したのか?さすが色男はやることが早いな」

マンチェク
「違うよ、みにさんから誘ってくれたんだ」

レンマ
「で?」

マンチェク
「でって?」

レンマ
「まさか、飲茶を食べただけってことはないよな?」

マンチェク
「座禅をしようと箱根にドライブに誘ってみた」

レンマ
「で、返事は?」

マンチェク
「今度の土曜に行くことになった。でな、レンマ。
マンチェクさんが誘ってくれたから行くのよって言われたんだけどこれってどういう意味だ?」

レンマ
「僕にそんなこと聞いてもな。女心のことはお前の方が敏感だろ?」

マンチェク
「ありがとう。で、レンマはあれからどうした?」

レンマ
「ヒトミとのことは神のみぞ知るってとこかな。これまでもそうだったけど、僕がまたなにか言っても拗れるだけだ。ヒトミがなにか言ってくるまで待つことにしたよ」

−時を同じくして道場では−

くまきん
「もしレンマが兄じゃなかったとしたら、お前どう思う?」

キョウマ
「うーん、難しい質問だね。人としては立派だけど男としたら物足りなさがあるね。なんで?」

くまきん
「おいらには女姉妹だけだからさ。兄弟がいたらどんな感じかと思って」

キョウマ
「僕は優しい姉さんが欲しかったな。お互いないものねだりだな」

ドニー
「これこれ、女っ気のないお二人さん。なにしてる?そうだ、脚本できたかな?」

くまきん
「自分だっていないくせに」

ドニー
「今、いないだけだ。あっちに行ったら可愛いチャイナ・ガールをゲットするんだ」

コリン
「本土の女より香港ガールはイケてるって聞いたぜ」

キョウマ
「まぁ、どっちにしてもあっちの女性は日本男児に興味津々らしいから気をつけて」

アンディ
「またここで井戸端会議か?」

トニー
「道場は本来稽古をする場だよね。みんなが集まる井戸端会議場と化するのはなぜなんだ?」

コリン
「そして話題はオ・ン・ナ。そう言えばキョウマ、ジンスン先生のお嬢さんとはどうなったんだ?」

ドニー
「童子功は破れたか?それともあえなくフラれちゃったか?」

キョウマ
「そうやって面白がってろ。彼女は今年卒業で大学受験が終わるまではメールだけで付き合ってたんだよ!そして無事合格が決まったからこれからは本格的に交際開始さ!」

アンディ
「良かったな。くまはあっちで彼女探すんだろ?」

くまきん
「実はおいらもペットショップの女性と交際中なんだ。桂木果鈴(カツラギカリン)ちゃんって言うんだ」

コリン
「じゃあ遠距離恋愛か?淋しいな」

くまきん
「それがさ、カリンちゃんもあっちにずっと興味があったみたいで、一緒に行くんだ。向こうに友達もいるらしくて居候しながらペットショップで働くって言ってる。ニャアこも連れて行くから面倒もみてくれるって」

コリン
「なんだよ。女っ気ないのはオレらの方じゃねえか。レンマにはマドンナ、キョウマはジンスン先生のお嬢さん、くまにはネコ好きのカリンちゃん、ひかりさんも無忌がいるし、パンさんにはおばちゃんってか」

キョウマ
「リサさんの従姉妹はどう?この間会ったけどすっごい美人だよ」

ドニー
「従姉妹ってことはジンスン先生が叔父さんだろ?美人も怪しいな」

キョウマ
「リサさんの母方の従姉妹だよ。張素素(すず)さんって言って、OLさんなんだ」

くまきん
「と言うことはあっちの出身?リサさんはハーフだったよね」

キョウマ
「あぁそうだ。あっちの国営銀行員なんだけど、こっちの支店に駐在員で来てるんだ。こっちにいる身内はジンスン先生家族だけだから、お店の近くにマンションを借りて住んでるらしいよ。
そうそう!なんでも功夫アクションの映画も好きで、見た目は長身でがっちり型が好きだとも言ってたよ」

ドニー
「コリンとピッタリじゃねぇか」

コリン
「是非とも紹介してくれ、キョウマ」

キョウマ
「いい人がいたら紹介してって言われてるから、明後日でどうか聞いておくよ」

トニー
「それはそうと、脚本がまだじゃなにもできないね」

アンディ
「キョウマ、催促してきてくれよ」

くまきん
「あの三人に任せておけば大丈夫だって」

キョウマ
「きっとすごいのができてくるから、引っ越しの荷造りでもして待ってろよ」

アンディ
「僕たちは来週の入社式が終わったら卒業式イベントのために一度戻るから、それまでには書き上げてもらってくれよ。じゃあ」

アンディとトニーは帰って行った。

ドニ−
「俺らも行くか!」

くまきん
「ねえ、キョウマ。二人にも協力してもらおうよ」

キョウマ
「パンさんのことか?」

ドニー
「なんだ?」

キョウマ
「無忌とひかりさんの結婚もさて置き、その前にパンさんたちのことも放っておけないだろ?」

コリン
「そのことか。レンマが校長になるのは確定だけど、あれからどうなった?最近レンマも見ないしな」

キョウマ
「兄さんはマドンナのことで頭がいっぱいで、それどころじゃないからね」

くまきん
「レンマもパンさんが武術講師になるのは賛成してんだから、パンさんを口説くのが先だよ。だって本人にその気がないんじゃ始まらないからね」

ドニ−
「でもさ、仮にパンさんにその気があって武術講師になってプロポーズしたとしても、おばちゃんはそれで結婚する気になるのかよ?」

キョウマ
「うーん。確かにパンさんは用務員には誇りは持ってるけど、結婚するには自信がないって前に言ってたけどね」

コリン
「そう言えば俺もパンさんに聞いたことあるぜ。おばちゃんは武侠ドラマばっかり観てて、なに考えてんだかわかんないってな」

くまきん
「武侠ドラマが好きってことは、つまりは武術家好きってことでしょ」

ドニー
「妄想と実生活は別かもしれないぞ」

キョウマ
「前は大地無限の主人公、次は少林武王の主人公、今は浪子燕青の主人公だよ」

コリン
「ってことは?、、、共通点は真の武術明星ってことか!演者は三人とも武術チャンピオンだぜ」

キョウマ
「そうか!じゃあ、やっぱりパンさんが武術講師になることはおばちゃんの望みかもしれないね」

くまきん
「ねっ、やっぱりおいらの言った通りだろ。先ずはパンさんを説得して、ウミノシン師匠に頼みに行こうよ!」

四人は用務員室へと走っていった。
するとパンは武術講座のDVDを観ながら、套路を踏んでいた。

キョウマ
「パンさん、それは迷踪拳だね!」

パン
「おぉ、みんな揃ってどうしたんだ?あぁ確かに今のはキョウマが言うように、別名が燕青拳と呼ばれる迷踪拳だ」

くまきん(ドニーとコリンに耳打ち)
「やっぱね。燕青拳は今、おばちゃんが夢中なやつでしょ」

ドニーとコリン(くまきんに耳打ち)
「あぁ、ってことは、やっぱり、そうか」

キョウマ
「ねぇ、パンさん。無忌の結婚のことは聞いてるでしょ?」

パン
「あぁ、あいつに聞いたよ」

くまきん
「で、おばちゃんはそのことでなにか言ってた?」

パン
「キョウマ、くまたち三人になにか話したんだろ?」

キョウマ
「手っ取り早く言うね。兄さんがここを継ぐことになった。でも武術講師の増員を希望してて、師匠の話では精武学園からも新任講師が来るみたいだけど、兄さんはパンさんのことも推薦したいらしいんだ。もしそうなったら引き受ける?」

パン
「ユアンジャ兄貴はわたしの大親友でもあるし、そうなれば確かに嬉しい。だが、わたしには人を教える資格はないんだよ」

キョウマ
「僕が天宝寺と闘うことになったときには教えてくれたじゃないか!」

パン
「あれはキョウマにだから教えたまでで、人様の息子さんたちを指導する資格がわたしにはないと言うことだ」

キョウマ
「どうして?」

パン
「わたしの過去のことはあいつに聞いただろ?」

キョウマ
「特殊部隊にいたってことだけね」

パン
「特殊部隊と言えば聞こえはいいが、使命のために大勢の人を殺めた。わたしの武術とはそんなものなのだ」

キョウマ
「、、、でももうそれは過去のことで職務だったからでしょ。今は違うよ、パンさんは武術が出来る用務員さんじゃないか!だから、武術講師になって僕のことを一生懸命応援してくれるおばちゃんを幸せにしてあげてよ!」

くまきん
「そうだよ、それだけじゃない!おばちゃんはみんなの好物を一生懸命作ってくれてるんだよ」

ドニー
「俺は来月あっちに行くけど、その前に吉報を聞かせてくれよ!」

コリン
「オレはあと二年ここに残るから、パンさんに武術を習いたいよ!」

キョウマ
「おばちゃんはあの時、身の危険を承知の上で変装してまで闘ってくれたんだよ!」

パン
「キョウマ、それは!」

くまきん
「あの時に変装?」

コリン
「まさか、コンビニの掃除婦か?」

ドニー
「もう一人はやっぱ、ひかりさん?」

キョウマ
「おばちゃん、ごめんなさい。パンさんを説得するためだ、赦して!」

パン
「知られてしまったのなら仕方ないな。確かにちっちゃい方の掃除婦はあいつだ。武術はわたしがあいつに教えたんだ」

キョウマ
「おばちゃんにも教えたんでしょ。だったらパンさん、お願いだよ。結婚のことはそのあとにしても武術講師になってよ!」

パン
「わかった。レンマがわたしのところに来たら考える。でも師匠とレンマには君たちから決してなにも言わないと約束してくれ」

キョウマ
「わかった、約束するよ」

くまきん、ドニー、コリン
「約束する!」


⇒Next Page
※作品内の画像・背景画像は作者様のもの(一部劇場のもの)です。お持ち帰りされる際は作者様に許可をお取り下さいませ(合掌)

*一覧に戻る   *感想を見る   *削除・編集

COPYRIGHT (C) Jet Li Fansite 天照庵