『少林学園 武侠兄弟』其の七〜学園存続の危機!?それぞれの旅立ち 前編
  作者: ミコ&hiyoko   2017年02月26日(日) 20時51分24秒公開   ジャンル:総出演
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第四章 by ミコ

−時は少し遡る・・・−

ヒトミ
「早かったわねレンマ、署長さんとの話はもう終わったの?」

レンマ
「あぁ、師匠のとこへ行く。じゃあ」

ヒトミ
「それだけ?話があって待ってたのになによ」

レンマ
「大事な話だ。もう行く」

ヒトミ
「ワタシの話も大事な話よ!」

レンマ
「あとで聞くよ」

ヒトミ
「待ってよ!」

ー学園長室ー

ウミノシン
「早かったな。説明会はもう終わったのか?」

レンマ
「お断りしてきました。師匠、この学園を僕に受け継がせてください」

ウミノシン
「いいのか?」

レンマ
「えぇ、もちろんです。師匠が築き上げた学園を受け継げることは光栄なことですから。でも武術体育学校にするに当たって武術講師を増員してくださいませんか?僕一人では無理です」

ウミノシン
「実は少林学園を武術体育学校にすることにしたのは、この間の旅行の時にユアンジャと相談して決めたことなんだ。この学園と精武学園とで姉妹校としての協定を結んで講師増員のことも既に頼んである」

レンマ
「では精武学園からどなたかがいらしてくれるのですね」

ウミノシン
「来月の卒業式には新任講師を連れてユアンジャも来ることになってる」

キンゾウ
「ヒトミとは話したのかい?」

レンマ
「まだですが、学園に残ることは僕の意志です。それにこのことはヒトミとは関係ありませんから」

キンゾウ
「関係ないってどういうことだ?」

レンマ
「それはあいつに聞いてください」

キンゾウ
「あいつって誰だ?」

レンマ
「義理の息子さんです」

キンゾウ
「スーには関係ないだろ!ヒトミの気持ちも考えてやってくれ」

レンマ
「キョウマたちが待ってるのでこの話はまた改めて。では失礼します」

キンゾウ
「レンマ!」

これでいいのだ。
今、自分がすべきことは来月の卒業式記念イベントを無事に終わらせ、少林学園を武術体育学校として存続させることが一番大事なことなのだと言い聞かせながらキョウマたちの待つ道場へ向かった。

−そして今に至る−

キョウマ
「兄さん、もう戻ったの?早かったね」

レンマ
「あぁ、この少林学園は僕が責任を持って受け継ぐことにした。さぁ稽古を始めるぞ」

くまきん
「はい、焼きそばパン。買っておいたよ」

レンマ
「あぁ」

くまきん
「これでおばちゃんとひかりさんも安心だ。おいらも心置きなくあっちに行けるな」

レンマ
「大丈夫だ、くまもあっちで頑張って来いよ。でもおばちゃんとひかりさんになんの関係があるんだ?」

くまきん
「ひかりさんはお得意様をなくすし、おばちゃんも仕事がなくなるだろ」

レンマ
「おばちゃんはウミノシン師匠の娘のような存在だ。それに僕がここを継ぐことはもう決まった。ひかりさんとの契約はもちろん、おばちゃんにも購買部に残ってもらうさ」

くまきん
「そうか、そうだよね。おばちゃんとひかりさんにはお世話になったもんね」

レンマ
「紫苑先生も美術講師として残ってもらうし、みにさんとターフーくんとの契約も引き続きするさ。おっと大事な人を忘れるとこだった、パンさんもだ」

くまきん
「そう来なくっちゃ!で、相談なんだけどさ。パンさんに武術講師として用務員と兼任してもらうってのはどうかな?」

レンマ
「いい案だけど僕一人の意見じゃ決められない」

くまきん
「おばちゃんの為でもあるんだよ」

キョウマ
「おばちゃんの為ってどういうこと?」

くまきん
「パンさんが武術講師として勤められれば生活も安定する。そうすればおばちゃんにもプロポーズできる。どう?」

キョウマ
「よく考えついたな」

レンマ
「師匠の話では精武学園と姉妹校としての協定をしするらしく、ユアンジャ学園長に武術講師をお願いしてるらしいんだ。でも確かにパンさんも立派な武術家だ。師匠に話してみるよ」

ドニー
「さーて。卒業式イベントの演目会議でも始めるか」

コリン
「あれ、マンチェクは?来るって言ってたよな」

くまきん
「無忌と修行じゃないのかな」

アンディ
「後で報告すればいいさ、始めよう。
みんなで参加の芝居をやるか、それとも学園祭の時のように個人演技にするか決めないとな」

トニー
「武侠ドラマも楽しかったな」

キョウマ
「ここも武術体育学校になるんだ。記念に卒業生と在校生、職員も全員参加で武侠ドラマをやろうよ」

コリン
「いいな。キンゾウ理事長は武術監督になるんだろ、この学園のイベントをデビュー作としてやってもらってさ。今まで世話になった学園長に捧げよう」

レンマ
「監督はいても脚本家がいないな」

キョウマ
「それなら武侠ドラマ好きの三人組がいるさ」

レンマ
「おばちゃんとひかりさん、そして紫苑先生か?」

くまきん
「脚本家どころか出演も希望してくるんじゃない?」

キョウマ
「それならそれでもいいじゃない。卒業式イベントは全面的に学園長から生徒たちに任されてるんだ。やろうよ!」

トニー
「じゃあ、先ずは脚本家を引き受けてくれるか頼みに行かなきゃ。卒業式イベントは一ヶ月後でしょ、練習もあるし間に合わなくなるよ」

レンマ
「卒業式イベントでは姉妹校となる協定式もあるそうだ。僕は師匠に話してくるから、キョウマはおばちゃんたちに話してみてくれ」

ドニー
「そう言えば、マドンナは?」

レンマ
「引っ越しの準備でもしてるんだろう」

ドニー
「マドンナも卒業式イベントには出るんだろ?」

トニー
「マドンナの国家活劇公司の契約式は僕のところより早くにあるからね」

ドニー
「じゃあ、卒業式イベントには出ないのか?」

トニー
「契約式が終われば一度戻ってくるって言ってたよ。なぁレンマ」

レンマ
「ドニー、ヒトミのことはトニーに聞けばなんでも知ってるさ。これからは彼に聞いてくれ」

トニー
「マドンナと僕とアンディは監督と一緒に残ったからね。僕は中央京劇座で卒業式イベントが終わってからアンディと行くことになってる」

アンディ
「僕の所属する金星演唱座の契約式も卒業式イベントのあとだからね。ところでコリンは残ることにしたのか?」

コリン
「あぁ、俺もあと二年で卒業だ。もう少し武術の腕を磨くぜ」

一方、洪野家では、、、

ヒトミ
「お父さん、これをそっちに運んで」

キンゾウ
「本当にいいのか?お前はここに残って仕事の時だけ向こうに行くんじゃなかったのか?私なら何とかなるから大丈夫だ。メイドを雇えば済むことだからな」

ヒトミ
「いいのよ、もう決めたんだから。これ重いのよ、早く運んでよ」

キンゾウ
「そう言えばレンマがスーに聞けと言ってたがなんのことだ?」

ヒトミ
「そ、それは・・・」

キンゾウ
「レンマの奴ったら相当怒ってたぞ。一体なにがあったんだ?」

ヒトミ
「天廩署ヘの誘いのことよ。レンマのことでちょっと口添えしたの。きっと署長さんから聞いたのね」

キンゾウ
「口添えってお前なにを言ったんだ?天廩署の話はヤム署長からの話じゃなかったのか?」

ヒトミ
「それもそうだけどレンマがあまりにも悩んでいるみたいだったから。ちょっとだけよ」

キンゾウ
「レンマはきっとスーとお前の仲を誤解したんじゃないのか?」

ヒトミ
「兄さんと私は義兄妹じゃない。そんな筈あるわけないじゃない」

キンゾウ
「バカだな、義兄妹だからこそ気になるんだろ」

ヒトミ
「もういいの。あんな分からず屋の頑固者は好きにすればいいのよ」

キンゾウ
「このまま離れ離れでいいのか?」

ヒトミ
「兄さんともきちんと話した上で決めたの。だからもういいの!」

−その頃、購買部では−

キョウマ
「おばちゃんたちにお願いがあるんだ。来月の卒業式イベントで学園全員参加の武侠ドラマをやることになったんだけど、脚本をおばちゃんたちに書いて欲しいんだ」

おばちゃん
「えっ?確かに武侠好きだけど、脚本なんて無理よ。ねっ、ひかりさん」

ひかり
「嬉しいお話だけど卒業式イベントには父兄やOBの方たちも観に来るんでしょ」

くまきん
「武術監督は理事長にお願いするつもりなんだ。ウミノシン師匠を送るためのイベントでもあるんだ。お願い!」

おばちゃん
「わかったわ。それでいつまでに書けばいいの?」

キョウマ
「イベントは来月半ばだから、今月中にお願いできればかな」

紫苑
「全員参加ってことは教員も?」

キョウマ
「師匠と理事長を除いた全員だよ。もちろんおばちゃん、ひかりさん、紫苑先生も出演者だよ」

おばちゃん、ひかり、紫苑
「了解です!」

−学園長室−

レンマ
「師匠、卒業式イベントの内容ですが、師匠を始めとする来賓の皆さまに向けて学園全員参加の武侠ドラマを演じることにしました」

ウミノシン
「そうか、それは楽しみだ」

レンマ
「では、監督を理事長にお願いしに行ってきます」

ウミノシン
「キンゾウくんなら引っ越しの片付けでヒトミくんに呼ばれて家に帰ったぞ」

レンマ
「そうですか。では、また明日にでも」

ウミノシン
「いいのか。このままで」

レンマ
「えぇ。僕もヒトミもまだ若いですから、後悔しない道を選ばないと。では、失礼します」

学園長室を出て丘の上の東屋へ向かったレンマが一人でぼーっと座り空を眺めていると、丘の下の小川の岩の上でマンチェクが座禅を組んでいた。

レンマ
「マンチェク、ここにいたのか。卒業式イベント会議に待ってたんだぞ」

マンチェク
「俺は人生に迷うとここに来て座禅を組んでるんだ」

レンマ
「迷いってこれからのことか?」

マンチェク
「今後の俺は仏法講師となる無忌の補佐をしながら卒業までは武術と仏法を学び学園に残ることにした」

レンマ
「無忌くんとひかりさんの結婚の話は聞いたよ。無忌くんがひかりさんの寺を継ぐことになるまでお前が補佐すればいいことじゃないか。なにを迷ってる?」

マンチェク
「実はさっきスーさんに会ってきたんだ」

レンマ
「なんでお前がスーと?」

マンチェク
「人には消せない過去がある。俺がこの学園に来る前に武術修行のために本土に留学してたのは知ってるだろ。実はその時に武術を生かしてある秘密結社にいたんだ」

レンマ
「秘密結社ってなんか物騒な響きだな」

マンチェク
「秘密結社ってのは大袈裟だけど、あっちではせっかく身につけた武術を悪の道に使う者もいるんだ。その者たちを正すために悪の道から手を引かせ更正させるための団体施設と言った感じかな。俺はそこの代表格だったんだ」

レンマ
「すごいな」

マンチェク
「でも俺は嵌められ引きずり降ろされ、ある裏切り者に乗っ取られてしまったんだ」

レンマ
「裏切り者ってまさか、天宝寺?」

マンチェク
「さすが、レンマだ。あいつはお前も知ってるように武術を封印され今じゃ廃人だけどな。今はその秘密結社レッド・アイも名を潜めている」

レンマ
「じゃあ、なにに迷うんだ?」

マンチェク
「俺は武術を必死で学びこうしてここまで来たが、何故か女運がない。あっちにいたときに付き合ってた年上の彼女に弄ばれたり、次の彼女は先輩の武術家に取られ妊娠してしまったり、そしてこっちで知り合った女もだ」

レンマ
「あー、クラブで知り合った女性だったな。まだ続いてたのか?」

マンチェク
「実は久しぶりに連絡があって会ったんだけど、借金のための呼び出しだった。あれからはキャバクラを辞めてテレアポの仕事をしてまともに暮らしていたらしいけど、悪辣なホストに嵌まって貢いだ挙げ句に借金で首が回らなくなって俺を頼ってきたんだ。仏の道を学ぶ俺でももう無理だ、関わりたくない。俺には今、好きな人がいるからな」

レンマ
「その女性のためにはもう十分したろ。きっぱりと断れ」

マンチェク
「もちろんきっぱり断ったよ」

レンマ
「じゃあ、いいじゃないか。で?今、好きな人って誰なんだ?」

マンチェク
「お前も知ってる人だ」

レンマ
「誰だ?」

マンチェク
「みにさんだよ」

レンマ
「ちょっと年上みたいだが、いいじゃないか。なにを迷う?」

マンチェク
「それよりレンマ、お前はどうする?ヒトミさんはお前が戻るのをずっと待ってたんだぞ」

レンマ
「ヒトミのことはスーに託すことにする。彼ならしょっちゅう仕事で本土と行き来してるからな。天廩署の話も実はヒトミの助言があって新任署長が動いたことだったんだ」

マンチェク
「そのことはヒトミさんにも聞いたけど、それはスーさんとお前が一緒に自分たちを守ってくれることを望んだからじゃないのか。ヒトミさんは2人とも大事だから、そして理事長とのこともあるからお前に仲を取り持って欲しかっただけじゃないのか?レンマ、お前は俺より頭もいいはずだ、気づいてやれよ」

レンマ
「さっき、ヒトミが大事な話があるって言ってた」

マンチェク
「きっとこっちに残るって話だよ」

レンマ
「女優になるんじゃないのか?」

マンチェク
「本土とこっちは飛行機で三時間の距離だ、向こうに住まなくたってできるだろ。そう言えば不動産屋を紹介して欲しいとも言ってたからな」

レンマ
「ありがとう、マンチェク。お前はもう立派な武術家だ。悩まずに思うままブチ当たれ。でももし砕けたら僕が慰めるさ。じゃあ!」

後編へ続く
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