『少林学園・武侠兄弟―其之六外伝の外伝 《武林傅・三獣剣客》
  作者: ミコ&hiyoko   2016年10月19日(水) 00時02分44秒公開   ジャンル:武侠
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第六章 by ミコ

突如として胸から飛び出した赤い石に二人が驚いていると、急に石が大きくなり焔のように燃えだした。

法連
「師妹、大丈夫か?」

瞳蓮
「胸が時折渦いていたのはこの石のせいだったのね」

今から二十数年前。
当時の天珠庵の庵主であった玉蓮が寺の前に置かれていた籠を開けると首に赤い石玉を下げた産まれて間もない女児が手紙と共に入っていた。

『訳あってこの娘を託します。身勝手をお赦しください』

玉蓮は溢れそうに大きな瞳を持つその娘に『瞳』と名付け育てることにしたのだった。
瞳はいつも首に下がった赤い石玉で遊んでいたが、ある日玉蓮が気づくと紐が切れ石玉がなくなっていた。
玉蓮はさほど気にはしなかったが瞳は石玉を飲み込んでしまっていたのだった。

法連
「この石が本当に珍珠なら大変なことが起きる、なんとしてでも守らねば。羅刹門がやってくるぞ!」

瞳蓮
「師哥、羅刹門と言えば泣く子も黙る鬼の集団でしょ、一人で守れるの?お父上のようになったらどうするのよ!」

法連
「珍珠はこのままではただの珠で、乾坤極経を唱えなることで効力を発すると父さんから聞いたことがある」

瞳蓮
「そのお経を師哥は知ってるの?」

法連
「経本は父さんから預かって持っているが、文字が独特で読めないのだ。その前にこの石をどこかに隠さないと」

瞳蓮
「ここにあっても危険よね。でもどこに隠すの?」

法連
「乾坤極経を解読できるまでどこかに埋めよう」

瞳蓮
「法京からなにか連絡はあった?京蓮も戻らないし、心配だわ」

法連
「いいことを思いついた。偽の石を使い羅刹門を誘き出すという手はどうだ?それを人目のつく所に持っていく。どうだろう?」

その頃、尼を探しに町を歩いていた隼と京馬は腹が減り酒処で飯を食っていた。


「お前はどこで武力を身につけたんだ?」

京馬
「小さい時に町外れの竹藪で捨てられていた俺を拾った爺さまからさ」


「俺たちと最初に闘った時に使った技はその爺さんに習ったのか?」

京馬
「あ、あぁ」


「腕を交差させ風を起こす、、、あれで剣を手にしていれば豪剣風雲と言う三獣剣客の一人、白狼の技だ。まさかお前?」

京馬
「爺さまが死んでからあちこち放浪してて覚えたんだ。それに俺は剣は使わない。ほらっ丸腰だろ」

「泥棒ー早く捕まえろー!」

二人が声のする先を見ると冠鷲が追われている。


「おい、あそこ見ろよ鷲哥だ。根城で待ってろと言ったのに」

京馬
「どうしたんだ?」

酒処親父
「頭の毛が尖った小柄な男があの人の持ってた金地の巾着袋を盗んで逃げたんだよ」


「中身はなんだ?」

酒処の親父
「大事なものらしいけど、、、あれ?あの人どこ行ったんだ?代金がまだだ。食い逃げだー!」

一方、隣町に行った鳶たちは、、、

京兎
「この町は静かすぎてなんか気持ち悪いね」


「ホントだぜ。露店も出てないしどの店も閑古鳥が鳴いてるぜ。それに誰も歩いちゃいねぇじゃないか」

京兎
「これじゃ尼にも会えないし、こっちから訪ねてみようよ」


「腹が減ったな。その前にあそこで飯だ」

二人は一軒の鄙びた飯処に入った。


「おい!まずは酒だ。あと牛肉炒めと飯もだ!」

飯処親父
「はい、お酒お待ちどうさま。生憎牛肉は切れてまして、今できるのは青菜炒めだけです」


「それでいい、早く持ってこい。京兎、飲め」

京兎
「おいらは飲めないんだ。水でいい」

飯処親父
「青菜炒めお待ちどうさま!」

京兎
「おいらは肉も苦手なんだ。青菜炒めでよかったよ」

飯処親父
「ごゆっくりどうぞ」


「酒も肉も食わねえなんてホントに女みてぇだな」

京兎
「またそれかい?酒も肉も食さない男もいるさ」


「、、、その割にはなかなかの腕だったな。どこで身につけた?」

京兎
「おいらが物心ついた時に一緒にいた婆さんからさ。その婆さん曰くおいらは袋に入って満月の晩に木にぶら下げられてたらしいよ」


「俺が知る限りではあん時のお前の動きは飛月青霧って技に似てた。ひょっとしてその婆さんって武林の女侠、月隠燕姐じゃねえだろうな」

京兎
「月隠燕姐は聞いたことあるが、もしおいらを育てた婆さんがそうならおいらはもっと強いはずだろ」


「月に舞い飛ぶ青燕。舞月青燕は俺の憧れの女さ」

京兎
「憧れ?」


「舞う姿が素早くてちゃんと顔を見た奴はいないらしいが、べっぴんだって噂さ」

京兎
「腹いっぱいになったかい?そろそろ行こうよ」


「おっ、そうだな」

泰雲院に着き門を叩くと一人の年老いた尼僧が出てきて、門前で話を聞こうとすると大粒の雹が混じった雨が降ってきた。

尼僧
「私はここの庵主で蘭妙。お尋ねのことは存じませぬ。どうぞお帰りを」


「帰りたいがこの雹じゃ見動きが取れねえよ。雨宿りさせてくれ」

蘭妙
「ここは尼寺、入れるわけには参りませぬ」

そう言って門を閉められてしまった。


「おいっ!人助けは功徳だぞ!慈悲はねえのか?」

京兎
「鳶哥、雹が痛いよ。あそこに小屋がある、行こう」

二人は尼寺の脇にあった小屋で雨宿りすることにした。


「まったく町には誰もいねえし、牛肉炒めはねえし、尼は愛想ねえし、青菜炒めじゃまた腹が減ってきたぜ」

京兎
「さっき食ったばかりだろ。我慢してよ」


「腹が満たされないと他の欲が湧いてくるんだ」

京兎
「食欲の他の欲ってこと?」


「欲には、、、食欲、金欲、あとは性欲、、、ヤバいヤバい、またお前が女に見えてきたぜ」

京兎
「やめてくれよ。今度言ったらおいらは仲間を辞める!」


「お前が可愛いから悪いんだ!」

京兎
「なんと言おうとおいらは男だ!」


「あーもうダメだー」

そう言うと鳶は京兎に抱きつこうとしたが避けられ胸元を掴んでしまった。

京兎
「なにをする!?もうお前とは絶交だ、出て行け!お前が出て行かないならおいらが出て行く!」


「お前、む、胸、、、やっぱ女だったのか?」

京兎
「触ったんだからわかったろ。あーそうさ、おいらは女だ。悪いか?」


「男と偽り仲間になってなにをするつもりだったんだ?」

京兎
「ただ仲間に入りたかっただけさ。女好きの羅刹門に女が入ったらどうなる?だから男のフリをしただけだ」


「羅刹門は悪の集団だぞ。仲間になったっていいことないのになんでだ?お前やっぱり青燕だろ?もしそうだとしても黙っててやるからさ」

京兎
「あんたこそ羅刹門にいるじゃないか。狙いはなんだ?手にするだけで英雄になれるって言う石が目当てか?」


「あれは伝説だ。珍珠があっても念仏が解読できなきゃ意味がねぇ。それより俺は自力で天下第一英雄になってみせるさ」

京兎
「雨も止んだし、早く戻ろう。奴らに怪しまれるのはゴメンだよ」

二人が根城に戻ると隼と京馬も戻ってきていた。

冠鷲
「遅かったな。鳶、なにかわかったか?」


「急に雹が降ってきて雨宿りしてて遅くなりました。尼も愛想なくてなにも答えてくれないし無駄足でした」

師祖
「これを見ろ。なにかわかるか?」


「赤い珠、、、まさかそれが珍珠ってやつなんですかい?どこでそれを?」

冠鷲
「さっき俺さまが盗んで来たのさ。しかしなーんも起こらない。一体どういうこった!」


「鷲哥、そんなに簡単に手に入るなんてそれって偽物なんじゃ?」

冠鷲
「偉そうな坊主が持ってたんだぞ」

京馬
「尼の手から坊主に渡ったってことですかね」

師祖
「なにか秘密があるのかもしれん。取り敢えずこれは保管しておくとしてちょっと出かけてくる。冠鷲行くぞ!」


「師祖さま、どちらへ?」

師祖
「武林の主のとこさ。格付け大会が開かれるらしいんでな、聞いてくる」

隼たち
「行ってらっしゃいませ」

師祖と冠鷲は馬で出かけて行った。


「鳶、話がある。ちょっと来い」


「隼哥、なんだい?」


「京兎となんかあっただろ?」


「なにかってなんだよ?」


「俺が気づかないと思うのか?京兎は女だろ」


「どうしてそれを?師祖たちに話すつもりか?」


「女だとバレるのは問題ないだろうが、二人の正体はバラす気はないさ」


「気づいてたんだな?さすが隼哥だ」


「俺たちの狙いは珍珠なんかじゃないんだ。武林一の英雄になることだけだ!」

京馬
「おいお二人さん。なにをコソコソ話してんだい?」


「コソコソしてんのはそっちも同じだろ?」

京馬
「なんのことだ?」


「なぁ兄弟。手を組まないか?」

京馬
「手を組むってお前ら何者だ?」


「武林荒らしの猛禽兄弟を知らないのか?」


「羅刹門の二人は鷹と鷲なんて名乗ってるが奴らは只のいんちき宗教集団で珍珠がなきゃ戦うこともできない弱虫だ」


「俺らが手を組んで羅刹門を潰そうぜ。なぁ白狼と青燕よ」

京馬
「バレてたのか?それじゃ仕方ないが、潰すなんて簡単にできるのか?」


「格付け大会で滅多討ちにするのさ」

白狼
「俺たちもそろそろ戻るよ。師祖には逃げたとでも言っておいてくれ」


「連絡は酒処の柱に記しておくからたまに見に来いよ」

白狼
「あぁ」


「お前が愛しの青燕だったのか、またな。次は格付け大会で会おう!」

青燕
「鳶哥、また!」

法京と京蓮は樂恩寺に帰って行った。

樂恩寺ー

法連
「おぉ戻ったか。どうだった?」

法京
「羅刹門を潰そうとする二人の大侠に出会いました。羅刹門は彼らに任せることに。師父、なにかあったのですか?庵主さまの顔色が、、、」

法連
「珍珠が見つかったんだ」

法京
「珍珠ってあの伝説の強者の印の。ここにあるのですか?」

法連
「あるところに隠し偽物を町で羅刹門に盗ませた」

法京
「やっぱり羅刹門の冠鷲が盗んだのは偽物だったんですね」

法卓
「俺が変装して置きに行ったんだ」

法連
「法京、 私は乾坤極経を解読するために暫く大聖山に篭もる。 法卓たちと協力し羅刹門の手から天珠庵の師妹たちを守るのだ。頼んだぞ」

法京
「わかりました。これから城に報告に行って参ります」

江南城ー

朝貴
「ワンシャン、ジャードー(皇上駕到)!
【訳:陛下の御成!】」

法京、京蓮
「ウォーメン サンジャン ワンシャン ワンソイワンソイワンワンソイ(我們参見皇上。皇上、万歳万歳万々歳」
【訳:陛下お目にかかります。皇上、万歳】

安徳
「チーライバ(起来ロ巴」
【訳:立ちなさい】

法京、京蓮
「シェー ワンシャン(謝皇上)」
【訳:有難う御座います、陛下】

安徳
「なにか掴めたようだな」

法京
「羅刹門を潰すため武林の大侠二人と手を組むことにしました。来週行われる格付大会で羅刹門を木っ端微塵に叩き潰してやります」

安徳
「法連和尚はどうしてる?」

法京
「争いの根源となった珍珠と言う石珠の謎を解くため大聖山に篭っております。私たちは天珠庵の尼たちを守るため羅刹門と闘うことを宣誓します」

安徳
「三獣剣客よ、頼んだぞ」

紫苑
「京蓮、貴女はどうするの?」

京蓮
「舞月青燕の名に恥じぬよう、三獣剣客と共に羅刹門を倒します!」

大聖山ー

法連
「この文字は一体なんだ?梵字とも違うしどこかの国の文字なのか?」

法連がふと壁を見るとそこには絵文字のようなものが書かれているが暗くてよく見えない。

文字を見ようと洞窟の石をどかして光を入れると、どかした石で半分影になり壁の絵文字が漢数字になった。

『十五、壱、七、二十八、、、最後に幕』の文字。

法連
「この数字になにか意味があるのかもしれない」

法連は乾坤極経を手にし考えていると居眠りをしてしまった。
ふと目が醒めると経本に汗がにじみ、腕に文字が逆写しになっていた。

その文字は紛れもなく梵字だ。

法連
「そうか、そういうことだったのか!、、、?この数字?もしやこの順番で読むのか?」

続く、、、

ここまででメイキングと裏話

コリン
「今のところNGが一番多いのはおばちゃんだね」

おばちゃん
「ホント、迷惑かけっぱなしね」

キョウマ
「おばちゃんは素人だもん。でも台詞のNGではなくアクションシーンのものだろ、仕方ないさ」

ドニー
「コリンは台詞もまだ少ないし、これからが大変だぞ」

ヒトミ
「レンマが苦手なあのシーンもあるしね!」

レンマ
「あれはアクションシーンより緊張するんだよ」

君寶
「京姐さん、演技とは言えごめんなさい」

マンチェク
「良かったよな。あのシーンでNG出したらパンさんに叱られてたよ。ねっパンさん!」

パン
「君寶くん演技だ、気にすることはない。で本当に触ったのか?」

くまきん
「やっぱ気にしてるじゃん」

おばちゃん
「触られてないわよ。それに胸にサポーターをしてるから触られても大丈夫なの!」

ドニー
「いよいよ次は本格的な格闘シーンだな」

キョウマ
「おばちゃん、出来なさそうなシーンはスタントさんに任せるんだよ、いいね。これ以上怪我したらホントにパンさん泣いちゃうよ」

おばちゃん
「やれるだけやってみるわ」

パン
「言って聞くような性格じゃないのは私もわかってる。武侠好きの意地を見せろ!」

紫苑
「私は城で座ってるだけでホントにラッキー」

ひかり
「でも皇族の台詞って難しいし、表情とかも大変よ」

みに
「衣装が綺麗で羨ましいわ」

ひかり
「尼の役も崇高でいいわ」

無忌
「お二人とも似合ってますよ。ねっ文卓哥!」

マンチェク
「あぁ」

ドニー
「二人もアクションシーンがあるんだよね」

ひかり
「ちょっとだけね」

みに
「護身術を使ってね」

レンマ
「あと二日だ。頑張るぞ!」


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