『少林学園・武侠兄弟―其之六外伝の外伝 《武林傅・三獣剣客》
  作者: ミコ&hiyoko   2016年10月19日(水) 00時02分44秒公開   ジャンル:武侠
【PAGE 5/12】 [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12]



第四章 by ミコ

安徳
「青雲、法京たちからの報告はまだか?」

青雲
「今、朝貴が町に様子を見に行っておりますが」

紫凰
「まさか一人で行かせたの?」

青雲
「いいえとんでもございません。世徳皇子がご一緒でございます」

安徳
「皇子はまだ子供だ。私の代わりは務まらんぞ」

紫凰
「朝貴は従順で賢いが太監のくせに女性に目がないのがたまに傷なのよ」

青雲
「例えそうでも皇子がご一緒ですから女性に声をかけるようなことはないと存じます」

紫凰
「ならいいけど」

とそこへ朝貴が戻ってきた。

朝貴
「皇上、只今戻りました」

紫凰
「皇子、その手に持っているのはなぁに?」

皇子
「母上、これは頭を叩くと着物を捲りあげる女の人形です。ほら面白いでしょ?朝貴に買ってもらいました」

安徳
「なんでそんなものを!?」

朝貴
「他にも人形はあったのですが皇子がこれを大層お気に召したので御座います」

紫凰
「そんなはしたない真似をする人形を売るなんて赦せません。そんなものが売られているからこの世から邪淫がなくならないのですよ!」

安徳
「まぁ今回は大目に見るとして、様子はどうだったのだ?」

朝貴
「はい。法京たちの密偵作戦の序盤は成功したようですので、あとは報告を待つだけです」

城下では、、、

法連の使いで町に出た法卓と法丹はこっそり抜け出してきた法京と賭博場で密会していた。

法丹
「どうだ、なにか探れたか?」

法京
「よりによってなんで賭博場なんだ?僧侶が賭博場に居たなんて知られたら掟破りだぞ」

法卓
「人目を避けるにはここしかなかったんだから仕方ないないだろ。でどうなんだ?」

法京
「奴らは珍珠と言う物を持っている女性を狙っているらしい。そのために若い女に近づいては的が外れたら無理やり体を奪うことで憂さを晴らしてるんだよ」

法丹
「珍珠って数十年前に武林の主が大事にしていた伝説の石だろ?」

法卓
「ただの石じゃないさ。それを手にした者は天下無敵になれるって言う幻の石珠だ」

法丹
「その女性って誰なんだ?」

法京
「崇幻雲猴さまの血を引く女性らしい」

そもそも二十年前に起きた武林での争いの発端は珍珠を奪い合っての物だった。

当時、武林の主であった崇幻雲猴と呼ばれた大侠は争いを避けるために珍珠を想い人であった女性に預けたのだが、どこからかそのことが漏れ珍珠欲しさの殺戮戦が勃発し、 崇幻雲猴の一番弟子であった幻夢神龍と呼ばれた李龍杰は悪の集団として結集していた羅刹門の第四代掌門である鷹王に殺されたのだった。

そのことで可愛がっていた弟子を殺された崇幻雲猴は武術を捨て大聖山に篭ってしまったのだ。

法京
「今判ってるのは珍珠を持っているとされている女性はその石の本当の意味を知らずに持っているってことだけだ」

法卓
「危険が及ぶことを考えた崇幻雲猴は敢えて想い人に話さなかったんだろうな」

法京
「そうだろうけど、まさかただの石だと思っているのにそれが誰もが欲しがる珍珠だなんて夢にも思ってないからこそ危険なんだ。早く女性が誰なのかを聞き出して救わなければ」

羅刹門の根城では、、、

師祖
「おい、新入りの一人はどこ行った?」

冠鷲
「あれ?さっきまでいたのに」


「凄腕だから引き入れたけどなんかあいつ怪しくないか?目力が半端ないしなんか好かない匂いがするぜ」

師祖
「おい、そこのちっちゃいの。なにか企んでるんじゃないだろな」

京兎
「まったく師哥の女好きにはおいらも呆れてるんだ。またきっと我慢できなくて女を漁りに行ったに違いないですよ」


「一人でずるいな。俺だってあれから一週間もご無沙汰じゃどうにも耐えられなくて京兎が女に見えてきたぜ」

冠鷲
「確かに京兎は女みたいだが、だからと言って男は勘弁だぜ」


「わかっちゃいるけど京兎の仕草を見たり声を聞いてるだけで何故かむらむらするんだよ」

京兎
「鳶哥気持ち悪いよ、よしてくれ。おいらはよく女に間違われるけどれっきとした男だぜ。なんなら一緒に風呂でも入るかい?」

師祖
「それより例の女の新情報は入手できたのか?」


「崇幻雲猴の愛していたと思われる女は子供を孕んでいたようで崇幻雲猴と別れたあとにその子を産み幽玄滝に身を投げたって話までは掴めています」

師祖
「では珍珠は今誰のもとにあるのだ?」


「産まれた子供の手にあると考えるのが正当だと思われますが」

師祖
「じゃあその子供を預けた先を早く探れ!」


「師祖さま、子供を預けられる場所なんて限られていますからそう焦らずに私たちを信じてお待ちください」

師祖
「限られてるってどこだと言うのだ?」


「慈悲深い人間がいる場所、、、寺ですよ!子供は娘だったってことが掴めていますからきっとどこかの尼寺にいますぜ」

その話を聞いていた京兎はとっさに天珠庵のことが脳裏によぎった。
もし尼寺が天珠庵であるとすれば預けられた娘は瞳蓮かもしれない。

あれは一年前のことだった。
誰とも入浴をせず、人前で肌を見せることのない瞳蓮が風呂でのぼせて意識を失った時に胸当ての隙間から傷跡が目に入った。

それはかなり大きな跡でなにかが埋め込まれているように盛り上がっていたのだ。

瞳蓮は暫く意識が戻らず胸を押さえ魘されていたのだが、その後も傷跡が疼くようで時折胸を押さえていたのを思い出していた。

そこへ京馬が戻ってきた。

冠鷲
「おい、勝手に一人でどこに行ってた?」

京馬
「女恋しくてぶらっとな」

京兎
「ほぉらおいらの思ったとおりだ。でいい女はいたかい?」

師祖
「どうやらお前も俺さまに負けず劣らずの相当な女好きと見えるな。でどんな女が好きなんだ?」

京馬
「そうだな、目が大きくて色白で小柄な女がいいな」

師祖
「でこれまでにどれだけの女を食らったのだ?」

京馬
「えっーーーっと。数え切れないほどですぜ」

冠鷲
「そいつは羨ましい」


「見りゃわかるだろ。京馬は見るからに男前だしな。それに比べて、、、鷲哥ときたら」

冠鷲
「おいっ。俺は男前じゃないっていうのか?」

京兎
「さっきの話ですが、早く探しに行きましょうよ」

京馬
「探しに行くってなにか掴めたのか?」


「女の目星がついてきたんで手分けして探りに行く段取りだ」

京馬
「この世の人間の半分は女だぜ。一体どこを探すんだ?」


「いいから付いてこい。京馬は俺と鳶は京兎を連れて寺参りだ!鷲哥はここで待っててください、とびっきりの上玉を連れて帰ってきますぜ」

京馬
「寺参り?」

冠鷲
「女は尼僧だって線から当たるんだよ」

京馬
「尼僧って尼寺に行くのか?」


「そう簡単には尼寺に入れるわけがないからな。先ずは使いで町に出てきた尼を捕まえて人質にするのさ」

京馬
「この辺りではどこにあるんだ?」


「九公山の麓に天珠庵と言う尼寺がある。もう一つは隣町にある泰雲院だがそこは年寄りの尼ばかりって話だからそこじゃないと思うんだが、念のため鳶たちは隣町に行ってくれ。もしかしたらなにか掴めるかもしれないからな」

師祖
「いい知らせを待ってるぞ」

天珠庵では、、、

香蓮
「護身術も楽じゃないわね。腕が痛いわ」

法卓
「そんなことじゃ身を守れないぞ」

香蓮
「腕に痣まで作って頑張ってんだから手加減してよ」

法卓
「でもそのお陰で大分さまになってきたぞ」

光蓮
「ホントにこんなんで貞操を守れるの?」

法丹
「あぁそうだ、金掴みはとっておきの技だぞ」

光蓮
「そうかもしれないけど、、、うら若き乙女がそこを握るってことにそもそも抵抗があるわ」

法丹
「なにいってるんだ。恥ずかしいと思ってたら身は守れないぞ、憎いと思えばどうってことないさ。いいな!」

法卓
「そう言えば今日は庵主さまの姿が見えないな」

香蓮
「方丈の好物を届けに寺に行ってるわ」

樂恩寺では、、、

瞳蓮
「師哥!どこ?好物の餡饅頭を持ってきたわー」

瞳蓮が書院を覗くと法連は沈黙のまま木箱を手にしていた。

瞳蓮
「また見てたのね?」

法連
「町でのことを聞いてふと思い出してしまったのだ」

瞳蓮
「まさかあの気持ちが蘇ったんじゃないわよね?」

法連
「この千切れた三節棍には父さんの果たせなかった悔しさが込められているんだ」

瞳蓮
「仇討を諦めたからこそ私を捨ててまで出家したことをまさか忘れてないわよね?」

法連
「その言い方はよしてくれ。もう過去のことだろ」

瞳蓮
「貴方が仇討のために生きていれば私も、、、」

法連
「仇討からなにが生まれると言うのだ?そんなことをしても己に還ってくるだけだ。それよりも慈悲の心で人を救うことのほうが大切だろ?君は私を臆病者だと言うのか!私がしたことは罪だと言うのか?仇討することで犠牲も生じるのだぞ」

瞳蓮
「罪、、、そのことで尼になった私は犠牲者じゃないの?」

法連
「出家したからとて私の君への想いはちっとも変わっていないと言うのに君がそんなふうに思っていたなんて哀しいよ」

瞳蓮
「ご、ごめんなさい。もう言わないわ、、、うっ胸がっ!」

法連
「師妹、どうしたのだ?」

瞳蓮
「胸がはち切れそうに痛いのよ」

法連
「胸?どこだ?」

瞳蓮が悶ながら苦しさのあまり法衣の胸元を引きちぎると、胸当ての隙間から紅い光が見えた。

法連
「胸にある傷跡が光ってるぞ。そんな傷跡いつからあったのだ?」

瞳蓮
「物心ついた時には、、、は、早く!師哥どうにかしてー!」

法連が胸当ての紐を外すと傷跡から紅く光る石が飛び出してきた。

法連
「この石はまさか!?」

瞳蓮
「師哥、なんなの?」

法連
「父さんが命を落とす原因となったあの珍珠なのか?」

瞳蓮
「私たちを引き離す元となったあの珍珠がどうして私の体に?」

ここまでのメイキングと裏話

ドニー
「おばちゃんを笑ってる場合じゃなくなってきたな」

キョウマ
「ホントだよ、求められる動きがハンパないね」

マンチェク
「俺らは軽功技を身につけてるって設定だからな」

レンマ
「屋根に飛び乗ったり剣を持って宙を舞えるのは全部ワイヤーのお陰だからな」

みに
「もうーホントに青痣になってるわ」

世玉
「大丈夫?今湿布貼るからね」

みに
「世玉くんは急に出演が決まったんですってね」

世玉
「皇子役に子供を探してたらしいんだけど、見学してた僕を見て監督に誘われたんだよ」

ひかり
「いくらなんでもホントに掴むなんて恥ずかしいわ」

無忌
「演技と思えば我慢ですよ」

ひかり
「そうね。ミーコさんに比べたら楽だと思わないとだわ」

ミヤコ
「そうよ。あたしなんてもうそこらじゅう青痣だらけだよ」

レンマ
「そう言えば下着泥棒騒ぎはどうなったんだろう?」

ヒトミ
「温泉を覗いてたあの変な男の仕業って話よ」

アンディ
「もう出てきたのか?警察も甘いな」

ヒトミ
「まったく今度は下着泥棒だなんて兄さんたちも大変ね」

くまきん
「ホントだね。国際的凶悪犯罪捜査課の刑事さんが下着泥棒まで追わなきゃならないなんてさ」


⇒Next Page
※作品内の画像・背景画像は作者様のもの(一部劇場のもの)です。お持ち帰りされる際は作者様に許可をお取り下さいませ(合掌)

*一覧に戻る   *感想を見る   *削除・編集

COPYRIGHT (C) Jet Li Fansite 天照庵