『少林学園 武侠兄弟』其の四ーW Missionー後編
  作者: hiyoko&ミコ   2016年06月30日(木) 21時01分32秒公開   ジャンル:総出演
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第九章 by ミコ

スーが拉致されたことで動揺したレンマも、法海の力強い言葉で冷静さを取り戻した。

各ペアの万全な練習と準備は済み、明日は朝から学園のみんなが楽しみにしている演劇祭が予定通り開催される。

レンマ
「明日はいよいよ演劇祭だ。10日前に送りつけられた挑戦状の被害には幸いなことにまだ遭っていないが、油断は禁物だ。僕らがすべきこと、、、それは無事に演劇祭を終えることだっ!」

そこへトニーのスマホにメールが届く。

レンマ
「リュウ刑事からの連絡を伝える。スー刑事の奪還が成功したそうだ」

ウミノシン
「向こうがなにもしてこないからって、こちらから仕掛けるというのか?」

キンゾウ
「この間のようにぎゃふんと言わせられなければ、ゲームに負けてなにもかも失うかもしれないんだぞ」

ウミノシン
「命まで取られたらどうするつもりだ!」

キンゾウ
「親の仇討はなによりも恐ろしいぞ」

法海
「確かにいつもとは事件の筋が違いますが、襲い来る敵を招待しなにをするか見物しましょう。私たちはそのお礼に素敵な芸を披露して差し上げるのですよ」

ウミノシン
「和尚、一体なにをなさるつもりですか?」

法海
「護珠を身につけ敵の遊戯に参加するのです」

キンゾウ
「護珠?」

レンマ
「和尚からお土産で頂戴した名前入りの石が護珠なんです。先程、廬山高校の校旗に招待状を括りつけてきましたので掲揚すればきっと敵は現れるはずです」

ドニー
「俺とコリンの偽物はどうした!」

トニー
「偽物ドニーは署で勾留中だが、偽物コリンはまだ敵中にいるよ。そもそもこの事件は仇討に乗じた買収ゲームで、愚かで身勝手な父親を持った娘が身内を引き込み、父親を殺した暗殺者を抹殺することが目的だ。最も重要な鍵はスー刑事とローグ刑事が握ってるという情報をリュウ刑事からもらったから、明日は天廩署の刑事ご一行様も招待したよ」

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
『平成二十八年度 少林学園 演劇祭』
【開会式】
一、開会挨拶−学園長
二、 念仏唱−法海和尚
三、開会宣言−連馬

【演目】午前の部
壱、『ルンバダンス』
演者:トニー&ハニー

弐、『迷踪拳と琴奏』
演者:マンチェク&二三香(みに)

参、『歌とドラム演奏』
演者:アンディ&紫苑(ひよこ)

肆、『剣長拳対南拳』
演者:コリン&ミシェール

伍、『詠春拳表演とキーボード演奏』
演者:ドニー&ひかり

ー昼休憩ー

【演目】午後の部

陸、『青龍偃月刀
対朴刀(槍)』
演者:くまきん&パン

柒、『太極剣表演と太鼓演奏』
演者:京馬&京(おばちゃん)

捌、『八卦太極拳対鞭術』
演者:連馬&妃十三

玖、『蟷螂拳対洪家拳』
演者:学園長&理事長

拾『武術表演』
演者:法海&無忌
★★★★★★★★★★

無忌
「皆さま、進行表をご覧ください。開会式で唱える念仏で身につけている石に法魂を送ることで皆さんを柵欄に包みお護りしますので、安心して芸を披露してください」

キョウマ
「それだけ?」

法海
「そうだ。あとは悪魔遊戯を見ておれば天廩署のみんなが遊戯を終わらせて悪魔を退治してくれるさ。因果応報からは絶対に逃れられませんからな」

おばちゃん
「お食事ですよー!」

無忌
「食事が済んだら身を清め休みましょう」

みんなは食事を終え順番に入浴をしていた。

庭に出たレンマとヒトミは・・・

ヒトミ
「兄さんが無事に戻って良かったわ」

レンマ
「そもそもあの男を拉致するなんてネズミが猫に鈴をつけるより難しいよ」

ヒトミ
「それもそうね。きっと見張りの人たちも大変だったと思うわ」

居間のホームシアターではみんなで『水滸伝』を観ている。

ドニー
「燕青ってカッコいいよな」

コリン
「伊達男、オレの憧れだぜ」

くまきん
「でもさ、結局は妓女の李師師に捨てられるんだよ。それでもいいの?」

マンチェク
「それでもカッコいいよ。俺が明日演る迷踪拳の別名は燕青拳って言うんだ。迷踪拳は霍元甲が使った技だ」

キョウマはリサにメールをしていた。

キョウマ(メール)
『明日は一等席を用意して待ってるよ』

リサ(メール)
『キョウマくんの晴れ姿を楽しみにしているわ』

台所・・・

ひかり
「本当に大丈夫かしら?」

無忌
「護珠が守ってくれます。明日はご両親もいらっしゃるのですよね」

ひかり
「それが息子の妙技が観られるってウキウキしてるのよ。もうやんなっちゃうわ」

無忌
「息子って僕のことですか?」

ひかり
「必ずいい人を見つけるから、それまではご迷惑かけるけど赦してね」

無忌
「二人に縁があれば実が成るかもしれません。一年間、様子をみませんか?」

ひかり
「それってお付き合いするってこと?」

無忌
「お互いのことをまだ知りませんからね」

ひかり
「無忌くんはそれでいいの?」

無忌
「いいかどうかはすべて天からのお導きですから、僕はそれに従うだけです」

ひかり
「無忌くん、ホントに有難う」

用務員室では・・・

おばちゃん
「なんかいろいろ起こってもすべてが丸く収まるのは、この学園が強いなにかに護られている気がするわ」

パン
「この学園は仏園さ。法海も戻ったしもう大丈夫だ。私も法力を学ぼうかな」

おばちゃん
「出家したら結婚はできないってことですよ。いいんですか?」

パン
「ここは中国じゃないぞ」

おばちゃん
「法海和尚の教えを請うということはそういう意味ですよ」

パン
「出家はせずに在家修行だ。一度は結婚と言うものをしてみたいしな」

おばちゃん
「ではまず相手を見つけなきゃですね」

パン
「もういるではないか」

おばちゃん
「いつの間に見つけたのやら、、、(ぶつぶつ)」

パン
「まったくお前は意地悪なのか鈍感なのか、よく解らん!」

おばちゃん
「???」

夜も更けみんなは眠りについた。

翌朝ー

廬山高校では校旗が掲揚され、裏のアジトで校旗の招待状を見たキラたちは重装備で少林学園に向かっていた。

観客席には生徒の父兄や関係者に混じって武術界の重鎮や演劇芸能界関係者も観に来ており、毎年生徒の中から芸能界や武術界にスカウトされた経緯もあり、本場の武術劇や映画、テレビデビューした生徒もいるのだ。

ー午前10時ー
学園長の開会式挨拶で演劇祭が開催された。

リュウ(メール)
『駐車場に着いた。敵は現れたか?』

トニー(メール)
『いや、まだだよ。最初のぼくの演目が始まるまでに早く来てっ!』

リュウ(メール)
『了解!』

ステージの法海と無忌が座禅を組み念仏を唱え始めると、ステージ裏のレンマたちが左手に握った石が光りだした。
その光を右手ですくい上げ一気に飲み込む。

リュウたちは裏口から二階へ上がり用意されたVIPルームでスタンバイ完了。

そこへレンマが登場しステージ上で、開会宣言を叫んだ。

演目開始・・・

[♪Rolling in the Deep]が流れ、トニーとハニーのダンスが始まった。

ハニーの妖艶な腰つき、トニーのキレのあるステップ、、、ターンして倒れ込むハニーの腰を抱き、トニーはハニーを見つめる。

ハニーはトニーの腰に足を絡み付けると後ろに倒れる、、、トニーは背中から手を回しハニーを受け止めた。

拍手喝采の中、【演目壱】が終了した。

暗転の中からゆっくりとした琴の音色が響き渡る。
【♪壱越】
薄紫のライトに照らされ、和服姿のみにが琴を奏でていた。

バックに白い布が下がり一匹の青蛇が舞うと同時に、上から鎖に掴まったマンチェクが降りてきた。

曲は一気に激しさを増し【♪鷹】に変わる。

マンチェクは上半身の着物を脱ぐと、迷踪拳の套路から側宙翻、後ろ蹴りを決める。

先ほどの鎖に下がる剣を握り、目に見えないほどの速さで振り回す。

歓声の渦の中、演目弐が終了した。

次に重低音のバスドラが響き渡ると、高座にスティックを高々と上げながらドラムを叩く紫苑が現れる。

ライトが旋回しビームライトと共にアンディ登場し[♪We are the Champion]を熱唱する。

間奏に入ると紫苑のドラムソロが始まり、アンディは華麗にダンスステップを踏む。

汗だくで歌い踊り、拍手の渦の中、【演目参】が終了した。

ステージは暗転に変わり琵琶の音色 [♪長安への道]が響き渡る。

舞台端から荷車が現れ、そこにはコリンが仁王立ちしている。

回転して飛び降りたコリンは拳を握ると、激しい南拳の構えを披露する。

そこへ連続片手側転で登場したミシェールが、背中の剣を抜き颯爽と振り翳すと、その剣をコリンは掌で挟み受け止める。

ミシェールはコリンを蹴り飛ばし、拳を構え片脚立ちでコリンを見据える。

拍手の渦の中、【演目肆】が終了した。

次にステージライトが黄色く旋回すると、サイレン音と共に神秘的なシンセサイザーの音色が響き渡る。

ステージ左上からゴンドラに乗ったひかりが、キーボードを首に下げ登場。

中央ステージにはヌンチャクを華麗に操るドニーも登場。

キーボードを設置したひかりの演奏が[♪怒りの鉄拳]から[♪戦国無双]に楽曲が変わるとドニーは詠春拳の套路を見せる。

精錬された技の繰り返し、そして腕を何度も素早く交差させ回転すると拳を振り下ろす。

拍手の渦の中、【演目伍】が終了した。

アナウンスが流れ、午前の部の幕が降ろされた。

昼食・・・

ステージ裏の控室では女性全員で作った昼食を食べ始めていた。

そこへトニーのスマホにメールが送られてきた。

キラ(メール)
『招待状は受け取った。いよいよ午後からゲームのスタートだ。準備はいいか?さぁルーレットを回しコマを進めろ!』

トニーはすぐにリュウにメールを送る。

トニー(メール)
『キラが現れたようだけどどこにいるのか確認できないよ。午後からゲームを始めるって言ってる、どうすればいい?』

スー(メール)
『レンマから聞いたがお前らは護珠に護られてるんだろ、安心してステージを続けろ。奴らの居所はこっちで探す』

トニー(メール)
『宜しく頼む』

法海
「トニーくん、敵からの宣戦布告かな?」

トニー
「は、はい。でも居場所が掴めないのです」

法海
「無忌、屋上に昼食を届けてやりなさい」

レンマ
「奴らは屋上にいるんですか?」

法海
「会場に設置した映写機で舞台の様子を伺っているよ。まったく自分で仕掛けた遊戯に怯えて姿も出せない臆病者に私たちが負けるわけがない。ハハハッ、ハー!」

無忌は屋上に上がると、こっそり手紙と共に重箱を置いてきた。

【三途の川の入り口へようこそ。奈落の底へ墜ちる前の最後の晩餐だ。
我々はもう賽は振ったぞ、堂々と姿を見せたらどうだ?
毒は入っておらんから安心して召し上がるがいい。法海】

重箱に気付いた手下が手紙をキラに見せると、、、

キラ
「キィーっ!舐めた真似しやがるクソ坊主だ。だれかサラダ持ってきてよぉー」

手下(ヘイン)
「ローグよりも性質の悪い坊主が連中を護っているようです」

ヤナガワゴロー
「キラ、コウに様子を見に行かせよう」

キラ
「コウ、行け!」

腹の減っていたコウは重箱のオニギリを咥えると、下へ様子を見に走った。

午後の部、開始・・・

[♪男兒當自強]の曲と共にくまきんが青龍偃月刀を持ち現れると、大きく旋回させ左右に振り下ろす。

そこへパンが朴刀槍を背中に携えて登場し、前後に大きく開脚し構える。

青龍偃月刀と朴刀槍が激しくぶつかり合い、鈍い音を立てる。

くまきんは青龍偃月刀
を高く振り上げ、脚を上げポーズを決めた。

パンも朴刀槍を背中から前方へ旋回させ、振り下ろす。

拍手の渦の中、【演目陸】が終了した。

次に暗転の中から雷音が響き渡ると、櫓に乗ったミヤコが現れ太鼓を連打する。

中央ステージ上の円形の障子内では太極拳を舞うキョウマがシルエットで映し出される。

ミヤコの太鼓が一音大きく鳴らされ、銅鑼の音と共に障子を突き破りキョウマが登場すると、櫓から紐をつたい降りてきたミヤコと剣を合わせる。

剣に打たれたミヤコはステージから転げ落ちる。

[♪精忠報国]の流れる中、尚もキョウマは剣を振り、舞い続けていた。

再び紐をよじ登りミヤコは狂った虎のように太鼓を叩き続けていた。

拍手の渦の中、【演目柒】が終了した。

次に暗転の中から激しい鞭音が響き渡る。

左手に扇子を右手に鞭を持ったヒトミが妖艶な姿で登場。

するとバックに桜の花びらが舞い、軽快に[♪滄海一声笑]が流れ、筏に乗ったレンマが登場する。

ヒトミが手をこ招くとレンマはそれを拒み、後ろを振り返り八卦太極拳の套路を見せる。

ヒトミが筏に鞭を投げると、絡め寄せられたレンマは筏から降りヒトミの手を握りしめる。

離れようとするヒトミをレンマが抱き寄せると暗転の中でシルエットで映し出された二人は唇を重ねていた。

拍手の渦の中、【演目捌】が終了した。

その頃、会場入り口ではコウが会場のすべての様子をキラに伝えていた。

コウ(メール)
『刑事の匂いもする。絶対にどこかに潜んでる、間違い。演目はあと二つだ、トリは妖怪坊主と弟子の演目だからその前になんとかしないとゲームに負けるぞ』

キラ(メール)
『お前に言われなくてもわかってる!』

ゴロー
「キラ、攻め込むか?」

キラ
「このサラダを食べ終わったら突撃よっ!」

背中を叩かれたコウが振り向くとそこにはコリンが立っていた。

コリン
「オレに似てるってのはお前だな?こうしてやろう、(ドンっ!)」

コリンに鳩尾に拳を捩じ込まれたコウはその場に倒れ伏し、ステージ裏に担ぎ込まれてしまった。

ステージではウミノシンとキンゾウが蟷螂拳と洪家拳の技を交えていた。

次にステージバックに紅幕が下り、中から数台の太鼓音が響き渡る。
ステージ上の法海が紐を引くと肩には襷を掛け、額には鉢巻姿の演劇祭参加メンバーが一心不乱に乱れ太鼓を打ち鳴らしている。

鐘の音と共に法海と無忌がピーンと張られた紐の上を両端から歩いてきた。

天井からは大きなカン袋が降りてきて、中では人が大声を上げながらもがいている。

法海は下から錫杖で何度もその袋を突くとメンバーたちは一斉に歌い出す。

♪金山寺の(ポンポンポン)和尚さんは(ポンポンポン)
毬は蹴りたし毬はなし

ワルをカン袋に押し込んで ポンと蹴りゃ ヒャーと鳴く
ワルがヒャーと鳴く
ヨーイヨイ♪

♪ダカヂクダカヂクダカヂクダカヂク エイホホー
ダカヂクダカヂクダカヂクダカヂク エイホホー♪

歌が歌い終わると、無忌は握った剣で紐を切り離そうと何度も飛び上がる。

法海
「早く助けに来ないと、奈落の底に墜ちてしまうぞっ!仲間を助けに早く参らんかー。引き入れた以上は見捨てるではないぞ。ハハハッ、ハー」


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