『少林学園 武侠兄弟』其の弐~消えた袈裟と数珠 後編
  作者: ミコ&hiyoko   2016年05月06日(金) 15時00分57秒公開   ジャンル:総出演
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第十章(最終章)by ミコ

法海は怪我がまだ治らないウミノシンに付いて学園に残り、レンマたちはパンの運転するマイクロバスでキャバクラKに向かっていた。

ドニー
「キョウマ、最初は動かないからビックリしたけどあの戦法はすごかったな」

キョウマ
「構えを見せると攻撃が読まれてしまうだろ」

コリン
「レンマもさすがだな。一発も打たせずに倒したもんな」

パン
「キョウマ、着替える前にこれを飲め。そうしないとこの可愛い服が着られないぞ」

キョウマが金桃薬壱を飲むと背が縮み胸が膨らみ体にも丸みが帯びすっかり女性の体になったので、すぐにアンディにメイクもしてもらった。

コリン
「か、可愛いぃ〜!オレが今まで付き合った彼女のだれよりも可愛いぜ」

キョウマ
「パンさん、もう一個の薬は?」

パン
「作っておけと言っておいたのに壱しか置いてなかったんだ。涙をもらうのは容易じゃなかったのかもしれんな」

キョウマ
「弐がないと男に戻れないんだよね」

レンマ
「女性になっている間はもしかして闘うこともできないとか?」

パン
「法海曰くそうらしい」

くまきん
「じゃあ、もしキョウマになにかあったらどうするの?」

ドニー
「そのために俺らがいるんだろ」

コリン
「おい、レンマもなかなか可愛いな。これがさっき藤田を倒した男には見えないぜ。よぉっ女装王!」

パン
「衣装と化粧はそれでいいが、これが足らん。饅頭を胸に入れておけ」

くまきん
「アンディ、そのまま働けそうなほどカッコいいね」

アンディ
「くまの方こそそのまま働けそうなくらいにお似合いだ」

レンマ
「じゃあ、宜しく頼んだぞ」

キャバクラKでは・・・

ヒトミ
「さぁ、おかけになって。ワタシは着替えてきますのでこれを飲んで待っててください」

藤田
「豪、ニュービジネスパートナーが来るぞ。さっき呼んでおいたんだ」

ティンパオ
「誰です?」

藤田
「トンという男で、三年連続武術チャンピオンだ。リャンはもうお払い箱だからな、今度は彼と組むんだ」

ティンパオ
「親爺、今度はなにに手を出すつもりだ?」

藤田
「少林学園に対抗できる武術学校を設立し、これから入学する生徒をこちらに引き込むんだ。入学希望者がいなけりゃ少林学園もいずれ潰れるさ!」

ティンパオ(独り言)
「そんな上手くいくのかよ?まったく次から次へとよく考えるぜ」

コンコン・・・(ノック音)

藤田が北京在住時代に共に武術を学んだトンがやって来た。

トン
「ビリー、ヒサシブリネ。ワタシノトモダチ、チントカンアルヨ」

藤田とトンは久々の再会にシャンパンで乾杯し、握手をした。

ティンパオ(独り言)
「名前がよくないぜ、それじゃ頓珍漢じゃねぇか。大丈夫かよ」

藤田
「ここの新しい娘たちが来るから楽しんでくれ」

ティンパオ
「親爺、前にいた娘は生意気なだけで可愛くなかったな」

藤田
「女は従順がいい。三歩下がって跪き三指立ててか?」

ヒトミ
「新しい娘を連れてきました。二人とも、ご挨拶なさい」

キョウマ
「キョウカでございます。豪さまお隣に座らせていただいて宜しいでしょうか?」

ティンパオ
「おぉ〜、座れ座れ」

レンマ
「レミと申します。ビリー男爵って背が高くてとってもダンディですこと」

トン
「ビリー、ソッチノウツクシイジョセイモ、ミセノコカ?」

藤田
「この娘はヒトミで、私の操り人形だ」

コンビニ駐車場では・・・

アンディ(ドニーたちへメール)
「トニーが迷惑かけたお詫びに無忌くんとマンチェクと助太刀しに来るってさ」

ここには夜鳴きそば屋に扮し屋台を引くくまきんと、角の信号前ではパンが易者に扮し座っている。

アンディはキャバクラの隣にあるホストクラブのホストに扮しビラ配りだ。

ドニー、コリンは雑居ビルの二階にあるスポーツジムで客としてトレーニング中だ。

衣装に着替えたトニーは合流しアンディと一緒にビラ配り、マンチェクは托鉢僧、無忌は虚無僧に扮しくまきんの屋台の前に立っている。

藤田
「レミ、もっと飲め。ヒトミ、なんか面白いゲームでもないのか?」

ヒトミ
「では、ツイスターゲー厶はいかがですか?」

藤田
「おぉ、それは楽しそうだ」

右手が青、、、左足が緑、、左手が黄色、、、

レミ
「えぇ〜?緑は遠いわ、届くかしら〜」

藤田
「黄色に付くにはレミの胸の上に覆いかぶさって、、、」

レミ
「もぉ〜
男爵ったらイケズ〜」

藤田
「次は右足が赤だぞ〜届くかな???」

するとレミは意図も簡単に開脚すると、赤に右足を乗せた。

藤田
「体が柔らかいんだな。私はもうダメだぁ
〜」

藤田は尻もちをついてしまった。

ヒトミ
「Fの負けですね」

藤田
「トン、今度は君がやれよ。レミ、彼は友人のトンで日本語も上手だ。お手柔らかにな」

キョウカ
「豪殿は、お酒が強いんですね」

ティンパオ
「キョウカはカクテルが好きなんだな」

キョウカ
「豪殿ってすっごく強いんですってね。キョウカ、戦ってる姿が見たいわ」

豪殿
「ここじゃあな。今度親爺のジムで見せてやるよ」

キョウカ
「ヤダヤダ!今見たい!格好だけでもいいから、みぃ、せぇ、てぇっ!」

ティンパオ
「しょうがないなぁ。いいか、これが虎の形、これが鶴の形、これは蛇の形、、、」

キョウカ
「素敵ぃ!」

トン
「ワタシノカチー」

レミ
「もぉーイジワルね」

トン
「オシオキダー」

レミ
「キャーもぉー」

トン
「我去厠所(トイレに行ってきます)」

レミ
「私もちょっと失礼します」

ティンパオ
「キョウカ、グラスが空だな。次はなにがいい?」

キョウカ
「チェリーブロッサムフィズ、サクランボも入れてね」

藤田
「飲み過ぎた、私もトイレだ」

ティンパオ
「キョウカ、なにしてる?」

キョウカ
「サクランボのヘタを舌で結んでるの。ほぉら出来た!」

ティンパオ
「そんなことができるのか?器用だな」

キョウカ
「豪殿はできる?これができる人はキスが上手なんですって!」

ティンパオ
「それはできないがキスは上手いぞ、試してみるか?」

キョウカ
「みんなが見てるぅ」

ティンパオ
「大丈夫だ。いいだろぉ?」

キョウカ
「じゃあ、私から、しぃ、てぇ、あぁ、げぇ、るぅ」

キョウマはティンパオの首に手を回すと唇を奪った。

廊下では・・・

レミ
「我也比裝模作樣的男人喜歡像那樣的不好的人(気取った男爵よりホントは貴方が好きよ、、、)」

トン
「ホントニィ?」

レミ
「だって鼻毛出てても気にしないような人よ。それに比べて貴方はどこかワルっぽくて私のタイプ、、、ココデイカガ?」

トン
「ココデ?」

レミはトンのズボンのファスナーに手をかけ、キャミソールの紐を外しかける。

トンは我慢できずレミを壁に押し付けた。

藤田
「おい、お前らそこでなにしてる!」

トン
「レミ、ワタシサソッタアルヨ」

藤田
「レミ、貴様。こうされたいか?」

レミ
「助けてー」

ティンパオ
「レミ、どうした?」

レミ
「トンが男爵より俺がいいだろ?って。男爵はレミが好きだから、でもホントは、、、この人がいいけど、、、男爵可哀想だからホントはしてあげたいけど鼻毛出てるしぃー。でもやっぱりこの人がいいけど、、、トンは男爵のお友達だから。ねぇ男爵と私のどっちの味方?」

トン
「コノオンナ、ヨッパライ。ビリー、ユルシテアゲテ」

藤田
「お前、この私に恥かかせやがってー!これからって時にいきなりこれじゃ信用できるか!やめだ、出ていけぇ!」

手下(イン)
「せっかくいい話だったのに、こんなキャバクラ嬢ごときでやめるんですか?」

藤田
「うるさい!出ていかないならここで死ね!」

藤田はそう言うと右拳を思いっきり振り上げると、トンのこめかみを殴った。

トンは倒れた勢いでテーブルに後頭部を殴打してしまった。

インが確かめると息がない。

ティンパオ
「死んだのか? やり過ぎだぜ、親爺」

藤田
「お前まで盾突くのか、こうしてやろうか!」

ティンパオ
「とうとう本性を見せたな、俺まで殺す気か?一族とは言えお前は元々他人だぞ、天宝寺家をナメるなー!」

藤田
「父親に勘当されかけてたお前を拾ってやったのはこの私だぞ!」

藤田はティンパオの頬を拳で殴った。

ティンパオ
「痛ってぇ、なにすんだ!」

ティンパオは反撃しようと拳を前に突き出すが、まったく力が入らない。
構えようとするがなにをしていいかもわからない。

イン
「どうしたんですか?」

ティンパオ
「あれ?俺どうしたんだ?」

キョウカ
「豪殿、さっきのキスはこれまでにしてきたおイタへの制裁よ。もうあなたは闘うことができないのぉっ!」

ティンパオ
「な、なんだってー!?」

キョウカ
「なんなら試しにわたしを叩いてみれば?」

ティンパオはキョウカの頬を叩いたが、頬に触れることしか出来なかった。

ティンパオ
「お、お前らはだれだ?一体何者なんだ?」

レミ
「男爵ともあろうお方が女取られたくらいで仲間まで殺しちゃって、怖〜い!大物って聞いてきたのにこれじゃチンピラ以下だわぁ」

藤田
「ヒトミ、どこからこんな女ども連れてきたんだぁ!」

レンマ
「まだ気づかないのか?お前らが大嫌いな武侠兄弟だよ!」

藤田
「お前ら、なにぼぉーっとしてやがる。やってしまえ!」

インともう一人の手下サンはレンマとキョウマに攻撃してきた。

キョウマ
「兄さん、ぼくは無理だ。頼んだよ!」

レンマ
「ヒトミ、早く逃げろ!」

レンマはサンの胸に右拳で一発、左足で脇腹に横蹴りを決め地上へ出る。

藤田
「イン、早くヒトミを追え!」

ヒトミはすぐに店を出て隣のホストクラブに駆け込んだ。

ホストクラブにはあとから駆けつけオーナーに扮したキンゾウがヒトミを連れ外へ逃げる。
客に扮したミシェールは襲いかかるインと闘う。

イン
「オンナカ」

ミシェール
「女だとなんなの?くたばれ!」

ミシェールはインの攻撃を躱し、連続回し蹴りからの右エルボーでインを倒した。

キョウマが地上に逃げると、コンビニの駐車場で待機していた手下アン、ポン、タンの三人が車から降りてきた。

くまきんは右手に握った箸でアンの胸を突き左手に持った麺の湯切りザルでアンの顔を連打する。

くまきん
「一丁あがりぃ!」

マンチェクは笠を振り回しポンの首、胸、頭を叩き数珠を握った右拳で額を殴打した。

マンチェク
「阿弥陀仏(アミダバ)」

無忌は頬への平手打ちから回し蹴りで腰を蹴り、右手に持った笛で額を叩きタンを倒した。

無忌
「対不起(ごめんなさい)」

藤田はレンマから逃げ外に出てきたが、パンに首を掴まれる。
拳を握り足をばたつかせながら逃げようとするが、パンの握る筮竹で突かれ、指で喉元を抑えられ一瞬にして気絶してしまった。

パン
「こんなんでましたぁ!か」

ティンパオはウミノシンを襲おうと学園に送り込んでいた手下たちをすぐに呼び戻す。

手下たちはすぐに駆けつけ、戦いに参戦する。

アンディの連絡を受けたドニーたちは駐車場へ駆けつけ、ティンパオが呼んだ手下マーとロクと闘いはじめる。

二人はナイフを手にしている。
ドニーは首に巻いていたタオルを腰に挿していたペットボトルの水で濡らすと、布棍の如く巧みに操り、マーのナイフを握る手に当て手放させる。
そのまま濡れタオルで眉間、頬、首と連続殴打でマーを倒した。

ドニー
「きっもちいいぜぇ!」

コリンは頭に巻いていたタオルを右手に巻きつけると、走り飛び蹴りでナイフを握る手を蹴り、倒れたところを頭突きからの右フックでロクを倒した。

コリン
「爽ー快っ!」

キョウマはコンビニに逃げ込むが、藤田が連絡していた手下が駆けつけ襲いかかられる。

レジに居た店員はホーに襲われている。

店員
「助けてーーー!」

キョウマは女の力だけで闘おうとするが、全く太刀打ちできずアーに殴られている。

ホー
「コイツドウナッテモイイカ?」

するとコンビニの前に二台の自転車が停まり、掃除婦が二人降りてきた。

長身の掃除婦は長箒を巧みに操り、まるで棍術使いの如くホーを殴り倒した。

小柄な掃除婦は中へ入ると、キョウマに近づいて行った。

「早くこれを!」

キョウマは掃除婦に小瓶の中身を飲ませてもらう。

駐車場では次々と現れる手下たち相手にレンマたちが大乱闘を繰り広げていた。

レンマ
「どれだけ手下がいるんだよ!」

小瓶の液体を飲んだキョウマは男の体に戻り、羽交い締めにしていたアーを投げ飛ばす。

キョウマ
「元に戻ったけど服、破けちゃったじゃないか」

キョウマの着ていた女性用の服は体が伸びたせいでビリビリに裂けてしまっていた。

アーは売り物の果物ナイフを握りキョウマに襲いかかってくる。

アー
「コノオトコオンナメ!」

キョウマはおもちゃの剣を手に反撃していく。

キョウマ
「もう男だぜ!」

コンビニ裏で見張っていた手下たち五人(ヘン、チク、リン、フー、オン)もアーの連絡で駆けつけてきた。

キョウマはおもちゃの剣を手に、長身の掃除婦は長箒を手に闘っている。

キョウマは店員をトニーに引き渡し、安全な場所へ避難させた。

駐車場ではまだ大乱闘が続いている。

劇のために少林武術を学んだアンディは、七星拳の構えから前に拳を打ち左膝で蹴りを決めフーを倒した。

アンディ
「こんな時に役に立つとは。一生懸命やっといて正解!」

トニーも劇のために学んだ詠春拳の構えから、横に拳を打ち回し蹴りを決めオンを倒した。

トニー
「一生懸命やっといて僕も正解!」

長身の掃除婦はヘンとチクを次々にバッタバッタと倒していくが、手袋が汗で滑り脱げてしまい長箒まで投げ捨ててしまった。

たちまち闘えなくなってしまった掃除婦はリンに捕まえられてしまう。

しかしそれを見ていたドニーが走り寄り、彼女を救った。

ドニー
「大丈夫か?」

長身掃除婦
「は、はい」

ドニー
「?ひか、?」

ドニーはリンの頭を掴み膝で蹴り上げると、後頭部に肘落としでリンを倒した。

ドニー
「またもや、きっもちいいぜぇ。クセになるわ」

長身の掃除婦は急いで自転車に乗り去って行った。

そこへ刑事たちが現れた。

スー
「トニー、彼らはもう気が済んだかな?」

トニー
「はい、すっかり片付きましたよ」

リュウ
「藤田、天宝寺。もうお終いだ!」

レンマたちは藤田とティンパオ、大勢の手下をスーたちに引き渡した。

レンマ
「来るのが遅いぜ」

スー
「お陰で手下が全員集合したさ」

リュウ
「映画みたいだったよ」

レンマ
「見てたのか?」

キョウマ
「助太刀してくれればもっと早く片付いたんじゃ?」

スー
「だってこれがやりたかったんだろ?」

スーたちは藤田たちに手錠をかけた。

藤田
「なんの罪だ?えっ?」

スー
「ローグ、教えてやってくれ」

ローグ
「窃盗罪に恐喝罪、銃刀取引法違反罪に麻薬取引違反だ。あー今日更に未成年者飲酒強要罪とわいせつ罪も追加だな」

ティンパオ
「あれ、この腕輪痛いね。知恵の輪かな?」

ティンパオは武力を失ったショックで気が触れてしまっていた。

レンマ
「教えてやろう。私は少林寺の僧を演じた劇で、天寶ってやつに裏切られ気が触れてしまった役をやった。お前もあの気持ちを味わうがいい!」

ティンパオ
「♪親爺の部下は名前が悪い。
ヘンチクリンとアンポンタン♪マーとロク(馬鹿)、アーとホー(阿呆)、インとサン(陰惨)、フーとオン(不穏)ときたもんだ♪
新しい友達が来たと思ったらトンチンカン(頓珍漢)♪」

スー
「これは気の毒としか言いようがないな」

リュウ
「すごい数だ、全部乗れるかな?」

ローグ
「これで全部か?」

レンマ
「もう一人、藤田が殴り殺した男がいる。遺体はキャバクラだ」

スーが藤田たちを車に乗せていたその時だった。

トン
「コノオトコシヌアルヨ、イイカ?」

死んだと思っていたトンが一人の若い男性にナイフを突き付け、ドアのところに立っていた。

レンマ
「お前死んだんじゃなかったのか?」

トン
「イヤナヨカンシタカラ、シンダフリアルヨ。ビリーニ、ワタシコロセナイアルネ!」

スー
「なにが望みだ?」

トン
「クルマ、カネワビリーノポケットノカギ、コッチヘ」

スー
「なんの鍵だ?」

藤田
「金を隠してある貸し金庫のだ」

スー
「俺が持って行く、その男性と引き換えだ。車はそこの紺色のスポーツカーを使え、鍵はついてる」

トン
「オトコダメアルヨ、ヒトミガモッテコイ」

レンマ
「おい、人質の男性ってターフーくんじゃないのか?」

ドニー
「なにしてんだ、こんなとこで」

くまきん
「そう言えば、このコンビニでよく立ち読みしてるって言ってたよ」

キョウマ
「さっきは店内にいなかったぞ」

くまきん
「トイレもよく借りてるって言ってた」

ヒトミは鍵を手にゆっくりと歩き始める。
トンはナイフをターフーの首に当てたままスポーツカーに近づいていく。

トンはヒトミから鍵を受け取るとヒトミを突き飛ばした。

キンゾウはすぐさま走り寄りヒトミを起こし上げるとトンに体当たりをするが、ナイフで腕を斬りつけられてしまった。

トンも体当たりされた勢いで車のドアに叩きつけられた。

トン
「イタイ、コノデブナニスルアルカ!」

ヒトミ
「お父さん、大丈夫?」

キンゾウ
「かすり傷だ、大丈夫さ」

トンが殴打させられた腰を押さえながらターフーを連れ車に乗り込もうとすると、反対側のドアに小柄な掃除婦が隠れていてレンマたちの方へ向かい「シーっ」をしていた。

キョウマ
「さっき薬を飲ませてくれた掃除婦さんだ」

レンマ
「なにをするつもりだ?」

すると小柄な掃除婦はオープンカーの窓枠に立ち上がり手にしたモップでトンの殴打した腰を殴った。

「早く逃げて!」

ターフーはレンマたちの方に向かい猛ダッシュで走っていく。

トン
「イタイ、コンドワチビアルカ?」

トンは落ちていた長箒を手にし、掃除婦に向かっていくと二人は闘い始めた。

藤田
「トンは棍術チャンピオンだ。間違いなく掃除婦は死ぬぞ」

キョウマ
「助けに行かなきゃ!」

トンは藤田が言うように巧みな棍技で攻めてきた。
掃除婦も必死でモップで長箒を躱していく。

トン
「ナカナカヤルアルネ。ワタシホンキダシタラ、オマエシヌアルヨ」

トンの箒の先が掃除婦の頬に当たる。

すると掃除婦はモップを頭上でくるくると回転させ、次に背中の後ろで回しながら自らも回転したり、十字に交差させ何回も回転させると前に大きく振り降ろした。

小柄掃除婦
「我也認真打倒你!
(私も本気でお前を倒す!)」

そう言い長箒を持つトンの腕を打つと、柄の中央に両手を持ち替え、柄の部分で腹を突き、モップ部分で顔を突いた。

掃除婦は箒を手放し倒れるトンの胸の上に足を乗せると、モップの柄で首を突く動作をし寸止めにした。

スー
「殺すな!生きて罪を償わせるんだ」

急いでスーが走り寄り、トンを起こし上げ手錠をかけた。

小柄な掃除婦は自転車で走り去っていた。

スー
「これで組織を一網打尽にしたぞ」

リュウ
「秘宝も取り返し学園に届けてある。あとは警察の手で型をつけるからな」

藤田
「優秀な弁護士がついてる。すぐ出てくるさ」

ローグ
「どうせ弁護士も悪徳だろ。それにさっきオレが言ったように余罪も山ほどあるから一生ムショでほざいてろ!」

スー
「お、おやじ大丈夫か?もう年なんだから無理すんな」

キンゾウ
「ありがとな。お前も頑張れよ」

スー
「じゃあ行くぜ。レンマ、これからもヒトミを頼むぞ」

リュウ
「マンチェク、藤田の組織はこれですべて壊滅した。金融会社も消えてなくなったから借用書も無効だ。彼女は開放されるぞ」

ローグ
「あの金融会社は元々、違法営業の疑いで調べていたからな」

マンチェク
「有り難うございました」

ドニー
「迎えに行くんだろ?」

マンチェク
「まだ修行中の身だ、今は行けない。これは己への戒めだ。連絡だけはしておくよ」

スーたちは藤田たちを車に連行し、署へ戻って行った。

レンマたちもマイクロバスに乗り込み、学園に戻った。

パン
「キョウマ、いつ金桃薬弐を飲んだんだ?」

キョウマ
「コンビニで掃除婦さんが飲ませてくれたんだよ」

パン
「なぜコンビニの掃除婦が?」

キョウマ
「そう言えば、あの自転車っておばちゃんのママチャリと同じだったよね」

学園へ到着・・・

レンマ
「師匠、ただいま戻りました。藤田たちを一網打尽にしました」

ウミノシン
「みんな、怪我はないか?」

キョウマ
「理事長が怪我しただけでみんな無事です」

ウミノシン
「大丈夫か?」

キンゾウ
「可愛い娘が無事なら、私はこれくらい屁でもありませんよ」

ウミノシン
「秘宝は先程、刑事たちが届けてくれて無事に保管した」

法海
「私が確かめたが、思った通り解読された形跡は残っていなかった」

レンマ
「悪を滅ぼし、無駄な力も奪い、秘宝も無事ですべて一件落着ですね」

ウミノシン
「そちらに居るのは仏具店の?」

レンマ
「ちょうど運悪くコンビニにいて、人質にされたんです」

くまきん
「でも居合わせたスーパー掃除婦が助けてくれたんです。これ拾っちゃった!」

法海
「それは猿王殿の巧手布ではないか」

くまきん
「これがあればオイラも今日から棍術王!」

法海
「効果があるのは身につけてから一時(いっとき)だけだ」

コリン
「でもコンビニの掃除婦がなんで猿王殿の手袋持ってんだよ」

くまきん
「通信販売だったりして」

法海
「巧手布をはめ棒を振ればどんな棒でも如意棒の如く効力を発し棍術使いになれるのだ。猿王殿の手の毛でできているのだ」

ドニー
「もうひとりの方は素手だったぞ」

レンマ
「あの動きは只者じゃない」

キョウマ
「モップをまるで棍みたいに頭上でくるくる、背中でくるくるって少林寺十三棍僧みたいだったよ」

くまきん
「レンマ兄やキョウマみたいにね」

ウミノシン
「みな、本当にご苦労だった。明日から連休だ。ゆっくり休みなさい。法海殿、貴方には多大なる感謝でいっぱいです」

法海
「人として当然のことをしたまでです。私は少しお暇をいただきたい、近々行われる高僧の大法要で帰らねばならんのです」

ウミノシン
「そうですか。では暫くは休講ということで」

法海
「無忌を置いて参りますので、マンチェクにも補佐させてください」

ウミノシン
「パンくんも前回に続き学園のために本当に有り難う。きみもゆっくりしてくれ」

パン
「学園長にはずっとここでお世話になり感謝していますから」

ウミノシン
「部屋に戻ったらあいつにここに来るよう言ってくれ」

生徒たちは家路に戻った。

レンマ
「ヒトミ、明日行きたがってた春物のセールの日だろ。お伴するよ」

ヒトミ
「覚えていてくれたのね。じゃあ帰りに美味しい物でも食べてゆっくりしましょ!」

ドニー
「あー!ひかりさんとの約束破っちゃったよ」

コリン
「じゃあ、埋め合わせにお茶でも誘っちゃえば?」

ドニー
「お前こそ、ミシェール先生の琵琶の会を見に行くんだろ?」

くまきん
「オイラはニャア子のおもちゃ買いに行くんだ!」

キョウマ
「みんなデートか、いいなぁ。ターフーくん、僕らの童子功はいつ破られるのかな?」

ターフー
「キョウマさん、明日から仏具展があります。宜しければご一緒しましょう!ご近所の好でオール半額でご奉仕しますから」

キョウマ
「ありがと。仏具好きのおばちゃんも誘ってみるよ」

用務員室では・・・

おばちゃん
「おかえりなさい。無事解決したんですね」

パン
「金桃薬弐ができたら連絡しろと言っただろ」

おばちゃん
「メールしましたよ!」

パン
「メールってのは苦手なんだ」

おばちゃん
「じゃあ、電話すればよかったですか?」

パン
「それどころじゃなかった」

おばちゃん
「返事もないし、きっとそうだろうと思ってコンビニに行って店員に預けて帰ってきたんです!」

パン
「預けただけか?ではここにずっといたのか?それにしてはなぜさっきから息切らしてハァハァしてる?」

おばちゃん
「丘の上行ったり、台所片付けたり、購買にミニキャラガチャガチャ設置したりバタバタしてたんです!」

パン
「そういや、大事なお買い物自転車が倒れていたから起こして空気を入れておいたぞ」

おばちゃん
「それは有難うございます!」

パン
「ミニキャラガチャガチャってなんだ?」

おばちゃん
「レンマさんたちが劇で演じたキャラクターのキーホルダーが出てくる機械です。ターフーくんのご紹介で購買に新しく設置することになったんです!」


パン
「先ほどからなにをそんなに怒っている?作戦に参加させなかったことか?」

おばちゃん
「いいえ、猿王殿ともお会いできましたから充分です!」

パン
「明日から器械展がある、一緒に行かんか?」

おばちゃん
「明日はキョウマくんと仏具展ですから、明後日でいいですか?今日は疲れたのでもう寝ます!」

パン
「あぁ、おやすみ。おっと、学園長がお呼びだったんだ。すぐに行きなさい」

其の弐、終結ー

☆演員(モデル俳優)

レンマ―ジェット・リー(李連杰)

キョウマ―ウー・ジン(呉京)

ヒトミ―ロザムンド・クワン(關之琳)

くまきん―ション・シンシン(熊欣欣)

ドニー―ドニー・イェン(甄子丹)

コリン―コリン・チョウ(鄒兆龍)

マンチェク-―チウ・マンチェク(趙文卓)

アンディ―アンディ・ラウ(劉徳華)

トニー―トニー・レオン(梁朝偉)

ウミノシン―ユー・ハイ(于海)

キンゾウ―サモハン(洪金寶)

ハニー―チンミー・ヤウ(邱淑貞)

ミシェール―ミシェール・ヨー(楊紫瓊)

ターフー―ウェン・ジャン(文章)

藤田―ビリー・チョウ(周比利)

ティンパオ―チン・シウホウ(銭小豪)

☆演員(モデルキャラクター)

パン―パン・チンユン(ウォーロード/男たちの誓い)

法海―法海(白蛇伝説)

無忌―無忌(カンフー・カルト・マスター魔教教主)

購買部店員―おばちゃん(ミヤコ)

道着セールスレディ―ひかり

美術講師―ひよこ

☆警察部隊
スー(ブラック・ダイヤモンド)
リュウ(キス・オブ・ザ・ドラゴン)
ローグ(ローグ・アサシン)
ユーロ(ザ・ワン)

ハン(ロミオ・マスト・ダイ)

仲悟/クー(リーサル・ウェポン4)


★次作予告!!☆

コンコン、、、

ウミノシン
「入りなさい」

おばちゃん
「お呼びでしょうか?」

ウミノシン
「なぜ呼ばれたかはわかっておるな?」

おばちゃん
「・・・」

ウミノシン
「どうしてあの技を使った!」

おばちゃん
「では、あのままターフーくんを見捨てればよかったのですか?そんなことあたしにはできません!」

ウミノシン
「そうかもしれんが、あそこには人も大勢いたそうじゃないか。誓いを破ればお前の身に危険が迫ることになるのだぞ!」

次作に続く、、、
*作者からのメッセージ
挿絵

ギャグ画は毎度お馴染み、hikariさんが制作です。
マウス絵はミコ作です。


次作は『外伝』をお届けいたしますのでお楽しみに☆
※作品内の画像・背景画像は作者様のもの(一部劇場のもの)です。お持ち帰りされる際は作者様に許可をお取り下さいませ(合掌)

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