『少林学園 武侠兄弟』其の弐~消えた袈裟と数珠 後編
  作者: ミコ&hiyoko   2016年05月06日(金) 15時00分57秒公開   ジャンル:総出演
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第八章 by ミコ

おばちゃん
「ねぇ、パンさん。ぎゃふん大作戦の全貌を教えてくださいな」

パン
「随分と楽しそうだな、これは遊びじゃないんだぞ」

おばちゃん
「だって、、、あたしもなにか役に立ちたいんですよ」

パン
「この間のように急に飛び出してきたりしてはだめだぞ。あの二人は相当な悪党だからな」

おばちゃん
「悪党と聞くとじっとしてられない性分なんですよ。ねぇ教えてくれるだけでいいですから」

パン
「仕方ないな。レンマくんとキョウマが女性に化け、キャバクラとやらで二人を罠にかけて懲らしめるってとこかな」

おばちゃん
「それで事件が解決するの?」

パン
「法の裁きは警察に任せて、武術者としての制裁は武侠兄弟が下すということだ」

学園ではいつも通りに授業が行われていた。

1時間目、美術の授業ー

ひよこ
「皆さま、はじめまして。毎週月曜日、講師として絵の指導をすることになった著尾日陽子(チョビヒヨコ)と申します。宜しくお願いします」

ティンパオ
「なぁ武侠兄弟よぉ、
暢気に絵なんか描いてる場合か?」

レンマ
「ひよこ先生、今日はなにを描きますか?」

ひよこ
「そうですね。肖像画にしましょうか」

キョウマ
「ひよこ先生、モデルはだれですか?」

ひよこ
「では、この箱の中の赤い棒を引いた方にしましょう」

生徒たちは箱の棒を順番に引いていった。

ヒトミ、レンマ、ドニー、コリン、アンディ、くまきん、、、だれも赤い棒ではない。
そして棒は残り二本、キョウマとティンパオだけになった。

二人は一斉に棒を掴む、、、
赤い棒を引いたのはティンパオだ。

ひよこ
「では、天宝寺くん前へ」

ドニー
「まさか、お前を描くとわな」

ティンパオ
「男前に頼むぜ、ハハハッハー」

コリン
「なんか、普通だなぁ」

くまきん
「なんか、つまんないなぁ」

キョウマ
「もっと芸術的な物を描きたいなぁ」

ひよこ
「では、皆さんが日頃から鍛えている肉体の美しさを描くヌードデッサンはどうですか?」

アンディ
「ひよこ先生、それはグッドアイデアです!」

ひよこ
「それでは天宝寺くん、服を脱いで」

ティンパオ
「脱ぐってどこまでだ?」

ひよこ
「ヌードですからぜぇーんぶですよ〜!この布で隠したいところを隠していいわよ」

ティンパオはカーテンに隠れ服を全部脱ぐと、腰に布を巻いて出てきた。

ひよこ
「さぁ、そこに座って」

みんなはティンパオをじーっと見ながら鉛筆を走らせる。

しばらくするとティンパオがモジモジと動き始めた。

キョウマ
「おい、動くと描けないだろ、じっとしてろっ!」

ティンパオ
「せ、先生、なんかチクっとしたぜ!おい???なんだ、このでっかい蜂はーーー!」

ティンパオは布を投げ捨てると手で大事なとこを押さえ走って行ってしまった。

ひよこ
「あっ、さっきサイダーこぼしてその布で拭いたんだったわー」

みんな
「ハハハッハーーー、いい気味だぜ」

ティンパオ
「保健の先生いるかぁー?頼むーーー薬くれーっ!」

ハニー
「あら、天宝寺くんそんな格好でどうしたの?」

ティンパオ
「いいから早く!痛くて溜まんねえ、なんとかしてくれっ!」

ハニー
「あら蜂に刺されたのね、わたしが塗りましょうか?」

ティンパオ
「自分で塗るっ!」

薬を塗り痛みが治まるとハニーに白衣を借りると美術室へ戻ってきた。

生徒一同
「先生、描けましたー!」

みんなは血相を変えてもがくティンパオのお尻の絵を一斉に見せた。

ティンパオ
「お前ら、ふざけやがって!」

キョウマ
「見たままを描いたんですよね、先生」

コリン
「さっきより立派で大きくなってよかったな!」

ティンパオ
「先生よぉ、かわいい顔してやってくれるじゃねぇか!」

レンマ
「お前のような立派な武術者ともあろう男が、か弱い女性にまさか手なんて上げないよな」

ひよこ
「わざとじゃないのよ、赦して。ごめんなさい」

ティンパオ
「も、もういいー!」

ひよこ
「では、今日の授業はこれで終了します」

ティンパオ
「武侠兄弟、この礼はあとできっちりと返させてもらうからな。覚えてろよっ!」

ティンパオはみんなが描いた絵を破り捨てると、教室を出て行ってしまった。

ひよこ
「これで良かったかしら?」

キョウマ
「ぎゃふん大作戦の序章は成功だな!」

講師に就けたお礼になにかしたいというひよこに、キョウマが予め頼んでおいたのだった。

ヒトミ(Fに電話)
「F、ティンパオがあいつらに、、、」

F
「ちくしょー、、、あとで思い知らせてやる!お前は引き続き奴らの動きを報告しろ、いいな」

ヒトミ
「わかりました」

F
「トニーは見つかったか?」

ヒトミ
「刑事に匿われているようです」

藤田
「得意体質だと知っていたら利用しなかったが、魔力を解かれたら私たちはお終いだ。すぐトニーに会ってここに連れてこい」

ヒトミ
「ハイ」

F(ティンパオに電話)
「今どこにいる?」

ティンパオ
「学園だよ。もう俺には何もないんだぜ。親爺、もう赦せない。チキショー、やっぱ学校なんか来るんじゃなかったぜ!」

F
「ジタバタするな。金なら又すぐ手に入れられる。だが名誉は失ったら取り返すのが大変だ。今、私とお前がやるべきことはひとつ、あいつらの名誉を奪取することだ!」

ティンパオ
「今度こそあいつらの息の根を止めてやるぜ!」

2時間目も終わりもうすぐ昼休みだ・・・

ひかり
「ミーコさん、こんにちはー」

おばちゃん
「ひかりさん、早いじゃない。試合は放課後よ」

ひかり
「今日の試合でお二人に着てもらおうと思って道着を持ってきたんです。渡してもらえますか?」

おばちゃん
「昼休みにくることになってるから直接渡すといいわ」

ひかり
「お話できるなんてなんてドキドキしちゃうわ」

チャイム音♪

キョウマ
「おばちゃん!」

おばちゃん
「キョウマくん、こんにちは。怪我はもういいの?」

キョウマ
「胸の傷はまだちょっと痛いけど、武力はもうすっかり元通りだよ!」

レンマ
「こんにちは」

おばちゃん
「あぁ、こちら道着のセールスレディでひかりさん。貴方たちにプレゼントがあるんですって」

キョウマ
「こんにちは」

ひかり
「こ、こんにちは。ひかりテーラーのひかりです」

おばちゃん
「ターフーくんの叔母さまでもあるのよ」

キョウマ
「元通りになれたのはターフーのお陰なんだよな」

ひかり
「これ今日の試合で着てもらえるかしら?こっちがキョウマさんのでこれはレンマさんのです!」

キョウマ
「わぁ有難う。この刺繍は?」

ひかり
「あなたの守護神でもある狼よ」

キョウマ
「兄さんのは?」

レンマ
「ひかりさん、これは龍ですね」

キョウマ
「色もいいし、カッコイイね。有難う!」

おばちゃん
「ひかりさんのお手製よ」

レンマ
「有難う。是非、着させていただきます」

キョウマ
「じゃあ、これから作戦会議だからそろそろ行くね」

おばちゃん
「あーこれ昼食よ、持ってって!」

キョウマ
「サンキュー!」

ひかり
「素敵なご兄弟ですね」

おばちゃん
「喜んでもらえてよかったわね」

ドニー&コリン
「おばちゃん、チィーっす!」

おばちゃん
「ハイ、二人の好物よ」

ひかり
「こんにちは、昨日はどうもぉ」

ドニー
「今日は道着を頼もうかな」

ひかり
「それは有難う御座います」

コリン
「ドニー、作戦会議に呼ばれてるんだぜ」

ドニー
「午後は自主訓練の日だから、試合前にちょっと来られるけどそれでいいかな?」

ひかり
「ハイ、お待ちしています!」


くまきん
「おばちゃん、ウィンナーパン残ってる?」

おばちゃん
「ちゃんと、とっておいてあるわよ」

くまきん
「ひかりおばさん、こんにちは」

ひかり
「こんにちは、くまちゃん」

くまきん
「道着に入れる刺繍だけど熊がいいな」

ひかり
「了解しました」

くまきん
「これから作戦会議なんだ。じゃあ放課後、体育館でね!」

ひかり
「ホントに素敵な生徒さんばっかりね」

ひよこ
「こんにちは、なにが残ってますか?」

おばちゃん
「いらっしゃいませ。美術講師のひよこさんね」

ひよこ
「ハイ。どうぞ宜しく!」

ひかり
「手作り惣菜、おにぎり、サンドイッチとなんでもありますよ。わたしは道着のセールスレディでひかりです。どうぞ宜しく」

ひよこ
「では、その鮭おにぎりとほうれん草のお浸しをください」

ひかり
「わたしはぶどうパンとポテサラを。ミーコさん、今日もここで休憩させてもらってもいい?」

おばちゃん
「もちろんよ。ひよこさんも宜しかったらご一緒にいかが?」

ひよこ
「ハイ。そう言えばさっき面白いことがあったんです」

ひよこは美術の授業での出来事を二人に話した。

おばちゃん
「じゃあ、ひよこさんも作戦に参加されたのね」

ひよこ
「参加したというより、ちょっとだけお手伝いしただけですよ」

ひかり
「作戦って?」

おばちゃん
「悪党を懲らしめるための作戦らしいのよ」

ひよこ
「ごちそうさまでした。近々公募展があるのでワタシはこれで失礼します。では放課後、体育館で」

ひかり
「なんか映画みたいで楽しそうですね」

おばちゃん
「でも危ないから手を出すなって言われてるのよ」

ミシェール
「ミヤコなんでもいいわ、なにかちょうだい!」

おばちゃん
「来ると思ってハムパンならとっておいてあるわよ。ひかりさん、彼女は音楽教師のミシェール先生よ」

ひかり
「はじめまして、道着のセールスレディでひかりです」

ミシェール
「こんにちは、ミヤコとは幼なじみなのよ。それよりミヤコ、学園が大変なことになってるのね。作戦会議があるって呼ばれてるからまたね!」

おばちゃん
「みんな参加するのにあたしだけじっとしてろって、この性分でできるわけないわよね。ねっ、ひかりさん!」

ひかり
「ワタシもなにかお手伝いしたいけど、力の方はからっきしだめだし、、、」

おばちゃん
「あぁ、じっとしてられないわ。二人のためにスタミナ弁当でも作ろっかな」

ひかり
「ワタシもお手伝いしてもいいですか?」

早速二人は弁当を作り始めた。

その頃、禅堂では・・・

ウミノシン
「それでは作戦会議を始めるぞ」

パン
「あくまでこの作戦は武術者として出来る最大の制裁作戦だ。しかし奴らは我々に情けはかけてこんだろう」

法海
「だからと言って我々が法を犯すことは絶対にしてはならぬ。心して望んでくれ」

法海はそれぞれの役割をみんなに伝えた。

法海
「問題は秘薬の素だ。あの二つを手に入れないことには計画が決行できないのだ」

レンマ
「ホントに猿王はまた来ますか?」

法海
「来てくれるよう念力は送ってあるのだが、なにせきまぐれ屋だからな。いつ来るか」

キョウマ
「僕たちは試合もあるし役割もあるから、もし来てくれても会いに行く時間がないよ」

パン
「法海、それなら暇でじっとしてられないのが一人いるからその者に頼んでもいいか?」

法海
「だれだ?」

パン
「購買部の店員だ。みんなのため、学園のためになりたいってうるさいんだ」

ウミノシン
「まったく、あいつらしいな」

法海
「ウミノシン殿もよくご存知なようですし、いつも美味しい食事を差し入れてくれてるし、お願いするとしよう」

キンゾウ
「ヒトミが心配だ、大丈夫だろうか?」

パン
「彼女は演技派育成組の女王ですぞ、ちゃんとやってくれますよ」

ウミノシン
「早く秘宝を取り返さんと悪いことに利用されてからでは取り返しがつかんからな。アンディ、刑事の方はどうだ?」

アンディ
「彼らはプロ中のプロでこれまでに解決できなかった事件はひとつもありません。奥の手を使い奴らとも直接接触し、かなりのところまで調べ上げているようです。なぁレンマ」

レンマ
「刑事のひとりは理事長もよくご存知の男ですから信頼もできます。ねっ理事長!」

キンゾウ
「あいつはいい加減に見えるが、気骨があって一本筋の通ったやつです。それは私が一番よく知っていますのでどうぞご安心を」

ウミノシン
「藤田は頭のいい男だからな、どんな手段を使ってでも秘宝に変えてしまうのではないか?」

レンマ
「でも最初からそれを知っていっていて盗んだのではないようだと刑事も言っています」

法海
「それに袈裟の持つ秘密は私にしか解読できません。奴らが手にしたところでただの布でしかないのですから」

キョウマ
「とにかく難しいことは警察に任せて、僕らが出来ることで奴らに立ち向かいましょう」

法海
「では二人は最後の特訓、衣装や変装の準備に携わる者は抜かりのないよう頼んだぞ!それでは解散!」

禅堂裏の小屋では・・・

マンチェク
「無忌いるか?」

無忌
「わぁ、びっくりしたぁ!」

マンチェク
「どうした?トニーじゃないか」

無忌
「さっき、レンマ殿のお友達の刑事さんのお友達の正陽殿が連れてきたんです」

マンチェク
「まだ記憶が戻らないのかな?」

無忌
「いろんな手を施したらしいですが、今度は眠ったままらしいんです」

マンチェク
「無忌も作戦には参加するるんだろ?」

無忌
「ぼくはトニーさんが再び奴らに襲われないように見張りを任されています」

トニー(うわ言)
「無名、、、私を置いていくな。駄目だ、如月、、、飛雪、目を覚ませ、、、」

無忌
「夢を見てるんですね」

マンチェク
「なぁ無忌、夢の中では記憶は失っていないのか?」

無忌
「夢の中でも記憶喪失のはずですが、なぜですか?」

マンチェク
「今、トニーが口にした言葉は以前彼が演じた劇中のことだ。ということは夢の中では記憶が戻ってるんじゃないのか?」

無忌
「そうか!トニーさんは寝ている間に魔力をかけられていたんだ!だから念力の効き目もや医者が診ても治らなかったんだ」

マンチェク
「どういうこと?」

無忌
「ぼくは殴られた衝撃で記憶喪失になったと思って念力を送っていたのですが、寝ている時に魔力をかけられたのであれば魔力を解いただけでは駄目だということで、魔力は解けているのだから、夢の世界から引き戻さなくては、、、、、、」

マンチェク
「無忌、その話ってまだ続く?手っ取り早い方法で早く治してやってくれ」

無忌
「では師兄、裏に生えてるどくだみをたくさん採ってきてください。ぼくは禅堂から書を取ってきますので」

無忌は『幻夢還』と書かれた書を読みながら、どくだみをトニーの口に押し込むと念力を送った。

しばらくするとトニーは咽返りながら目を覚ました。

トニー
「マンチェク、、、無忌くん、、、ここでなにしてるんだい?、、、ってに、苦ーい!み、水ちょうだい!」

無忌
「成功です、師兄!」

マンチェク
「トニー、よかったな。完全に元に戻れたぞ」

用務員室に戻ったパンは・・・

おばちゃん
「会議は終わったのですか?」

パン
「あぁ。こちらは?」

ひかり
「お邪魔しております。道着のセールスレディのひかりです」

おばちゃん
「作戦に参加させてもらえないならせめてもと、お弁当を作ってたんですよ」

パン
「これより任務を与える。丘の上での見張りを命ずる!」

おばちゃん
「なにを見張るんです?」

パン
「猿王殿に会って尿と涙をもらってくるのだ!それがないと作戦が決行できないんだ、夜までに頼んだぞ」

おばちゃん
「どうやって意志の疎通をするんです?」

パン
「地上界でも普通に話せるように法海が念力を送ってくれてあるので心配はいらん。手に入ったら冷蔵庫にある金の桃二つをそれぞれで煮て学園長室まで届けてくれ。いいな」

おばちゃん
「了解しました。ひかりさん行きましょう!」

二人は丘の上に向かった。

ひかり
「ここにいたら試合が見られないわね。猿王さま早く来ないかしら」

おばちゃん
「試合は四時からだからそれまでに来てもらえるように誘き出しましょう」

ひかり
「猿王さまが好きそうな物でも作って誘ってみる?」

おばちゃん
「すぐ作ってくるから、ひかりさん見張っててね」

おばちゃんは桃を持てるだけ持って用務員室へ戻ると、桃を使った色々なデザートを作り丘の上に戻った。

ひかり
「今さっき、すっごい風が吹いたんです」

おばちゃん
「もしかして向かって来てるのかしら」

ひかり
「ミーコさん見て、あっちの空が蒼白いわ」

すると飛ばされてしまいそうなほどの風が吹き、閃光の如く猿王が天空から舞い降りてきた。

二人は木に掴まって立っているのがやっとだった。

おばちゃん
「猿王さまでいらっしゃいますね」

猿王
「そうだが、法海はどこだ?」

おばちゃん
「和尚の遣いの者でございます。先ずはネクターをどうぞ」

猿王
「今日は風が強くて喉が渇いていたからちょうどいい」

ひかり
「次は桃ゼリーでございます」

猿王
「これはぷるぷるしてて美味そうだ」

二人は桃酒、桃饅頭、桃大福、桃羊羹と次々に勧めた。

猿王
「わしを呼んだのはこのためか?」

おばちゃん
「いえ、、、猿王さまのある物を頂戴したくございます」

猿王
「あー、飲み過ぎてもよおしてきた。厠はどこだ?」

ひかり
「お待ちください。こちらにどうぞ」

ひかりはおマルを差し出した。

猿王
「欲しいものとはなんだ?」

おばちゃん
「ひとつは今頂戴いたしましたが、あともうひとつございます」

猿王
「なんだ、金桃薬を作るのか?」

おばちゃん
「は、はい左様でございます」

猿王
「あげたいのは山々だが、そう簡単には涙は出んな」

ひかり
「どうしても必要なのです、お願い致します」

猿王
「では涙が出る程に可笑しいことを見せてくれんか?」

おばちゃん
「それでは今夜、少林町三丁目のコンビニの地下にあるキャバクラ・Kで涙が出る程可笑しいことが起こりますのでその一部始終をご覧になってください。そしたらこの容器に涙を入れてまたここにいらしてくださいますか?」

猿王
「わかったよ。美味い料理のお礼にこの手袋をやる。これをして棒を持てば一瞬にしてお主は棒術使いになれるぞ」


猿王はそう言うと天空に舞い戻って行った。

おばちゃん
「さぁそろそろ四時だわ、行きましょう」

ひかり
「ねぇ、なぜこれをくれたのかしら?」

おばちゃん
「あたしたちの心が読めたからよ」

ひかり
「そうか!でもひとつしかないわ」

おばちゃん
「ひかりさんが使って。あたしは自力でなんとかやるわ」

体育館では試合が始まろうとしていた。

第一試合。
キョウマ対ティンパオの闘いだ。

キョウマは両足を肩幅に広げ、合掌したまま微動だとしない。

ティンパオは虎拳の構えでキョウマが隙を見せるのを狙っている。

しかしキョウマは一歩も動こうとしない。

ティンパオ
「おい、なんのつもりだ。やる気あんのか?」

キョウマ
「さぁ、早く仕掛けてこいよ。それとも怖気づいたのか?」

ティンパオは虎の手でキョウマの首筋を突いてこようとしてきた。
キョウマは右に旋風脚で一回転する。

次にティンパオは鶴が舞うように片足を上げ、腕をキョウマの頭上に落とそうとしたが、キョウマは左方向へ側宙しその腕を避けた。

ティンパオは次に片腕を上げ蛇拳の構えを見せた。

するとキョウマはティンパオと反対の方向へ走り、腕にしていた布をまるで流星錘のように操るとティンパオの上げた腕に絡ませこちらに引き寄せる。

そこを拳で眉間に一発!

次にキョウマが右方向に一気に走り出すと、ティンパオは腕に絡んだ布に引かれ投げ飛ばされた。

ふらつきながら起き上がってきたティンパオ目がけキョウマは走り寄ると、腹、胸、顎への三段蹴りを食らわせた。

ティンパオは血を吐き倒れ起き上がれない。
キョウマは布を外すと、ティンパオの胸の上に足を乗せた。

審判員のキンゾウが降参を問うと、ティンパオは悔しそうに唇を噛み締め床を叩いた。

キンゾウ
「第一試合、天宝寺豪の降参で呉李京馬の勝利とする!」

第二試合。
レンマ対ビリーの闘いだ。

ビリーはボクシングの構えでステップを踏む。

レンマは両腕を大きく振り上げると、左足を思い切り広げ腰を低く落とした。

お互いにどう出てくるかと様子を窺っている。

ビリーが先ず右拳を突き出すとレンマはその腕を掌で叩く。

ビリーは左足を一歩前へ踏み出すと右足を上げ横蹴りで攻めてきた。

レンマはその脚を両手で掴み投げ飛ばす。
ビリーが片膝を付き立ち上がろうとするところで頬を掌で叩く。

レンマは三歩後ろに下がると回転しながら近づき連続で首筋、額、耳を叩く。

ふらつくビリーにレンマは後ろ回し蹴りで脚を首に絡ませると股締を食らわせた。

審判員のキンゾウが降参を問うと、ビリーは気を失っていた。

キンゾウ
「第二試合、藤田比利の昇天で呉李連馬の勝利とする!」

客席の生徒たちが旗を降って喜んでいる姿を、客席にいた黒尽くめの連中は睨みをきかせ見つめていた。

ヒトミ
「F、大丈夫ですか!武侠兄弟とあろう者が随分汚い手を使うのね。武術だなんて笑わせないで!」

ティンパオ
「お前、いつの間にそんな強くなったんだ?くっそぉ!このままで済むと思うなよ!」

ティンパオと手下の男は藤田を抱え控室に入って行った。

医術を学んだ部下の処置で目を覚ました藤田にヒトミはタオルとボトル水を渡した。

ヒトミ
「試合に勝ったくらいであんなに喜ぶような単細胞な連中は放っておいて今夜は楽しみませんか、お疲れでしょ?」

藤田
「美味い酒が呑みたいな」

ティンパオ
「酒もいいが美味い女がいいな」

ヒトミ
「店に新人が入ったそうです。今夜はワタシもサービスしますからリフレッシュしましょうよ」

ティンパオ
「俺らにはできてあいつらにはできないことがもうひとつある!それは?女と豪遊することだぁー!」

藤田
「よぉし、久々の息抜きだ。行くぞー!」

藤田たちは手下が運転するリムジンで店へ向かった。

しかしこのあと想像を絶する大悲劇に襲われることを二人は知る由もなかった。



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※作品内の画像・背景画像は作者様のもの(一部劇場のもの)です。お持ち帰りされる際は作者様に許可をお取り下さいませ(合掌)

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