『少林学園 武侠兄弟』其の参 外伝ーPolice Enjoy Life&消えた秘技書 後編
  作者: hiyoko&ミコ   2016年05月26日(木) 10時49分26秒公開   ジャンル:総出演
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第七章 by ミコ

『女装大会』だけのはずだったイベントにいつしかダンスと歌まで追加され放心状態のスーは、後輩たちに励まされればされるほどイライラ度が沸点を超えそうだった。

こんな時はなにをすれば、この気持ちが落ち着くのか?
シャワーを浴びても、タバコを吸ってもそのことだけが脳内をぐるぐる巡っていた。

ふと、ミシェールを思い出した。
あの花に彼女はどう反応しただろう?
スマホを握り、思い切ってメールをしようとしたその瞬間、メール音が鳴りビックリした。

ミシェール(メール)
『今夜、またあの店で飲んでるから、気が向いたら顔出して』

スーはちょっと戸惑った。
「行くよ」と即返するべきか?黙って行くべきか?それともいっそのこと行かないべきか?
スマホを握り締め暫し考え込む。

そして次の瞬間、ジャケットを羽織り医務室から飛び出していた。

Bar胡蝶蘭・・・

店に入ったスーが店内を見渡すと、この間のカウンター席にミシェールが座っていた。
黙って近づくと、隣にさり気なく座りタバコを咥えた。

ミシェール
「返信がないから来ないかと思ったわ」

スー
「そうか?キミのようないい女に誘われて来ないわけないだろ」

ミシェール
「粋なことするのねっていうか、できるのね」

スー
「なんのことだ?」

ミシェール
「花よ。それも意味ありげな花ね」

スー
「綺麗だったから買っただけだ」

ミシェール
「でもあの時、俺の気持ちだって言ったでしょ。調べたのよ、花言葉」

スー
「再会を祝って綺麗な花を贈った。それだけだ」

ミシェール
「なんとも思ってない男にもらったなら調べないわ。でもそうじゃなければすぐ調べて当然よ」

スー
「、、、でなんだったんだ?」

ミシェール
「黄色いゼラニウムが予期せぬ再会、そしてピンクのガーベラは崇高愛ですって。これはアタシの返事の花よ」

そう言ってミシェールは色とりどりのポピーの花束をスーに渡した。

スー
「偶然だろ。じゃあこの花の花言葉はなんだ?それよりこの花はなんの花だ?」

ミシェール
「ポピーよ。そうそう、女装大会の方はどう?」

スー
「その話はするな」

ミシェール
「あらなぜ?楽しみにしてるのよ」

スー
「考えれば考えるほど腹立たしかったが、ようやっと腹くくったとこだ」

ミシェール
「そんなに大ごと?たかが女装でしょ。天下の蘇黨恆がイジイジ悩むことでもないじゃない」

スー
「そう簡単に言うな。ダンスと歌まで追加になったんだ」

ミシェール
「プフっ。劇だと思えばいいじゃない」

スー
「思えるか!」

ミシェール
「アタシは女優してたでしょ、だからいろんな役をやったわ。男装もしたし、ギリギリセクシードレスも着たしね。ほらっ、レンマくんやキョウマくんだって女装したり、ダンスしたりしてんのよ」

スー
「俺は刑事であって役者じゃないさ」

ミシェール
「そうだけど。そうそう、前の亭主がね、職場のイベントで腹踊りさせられそうになった時、すっごく嫌がって断ったの。そしたら同僚が代わりに引き受けて知事に気に入られて秘書に抜擢されたのよ」

スー
「それとなんの関係がある?」

ミシェール
「元亭主は、知事の事務所の事務員だったの。体裁を気にしすぎて出世の道を逃したって話よ。恥ずかしいのは一瞬よ、潔くやれば評価されることもあるわ。でも結局亭主はその知事の娘に唆されて浮気したけどね」

スー
「慰めが慰めになってないな。まぁもうやるって決めたからやるさ」

ミシェール
「ちょっと化粧室、、、」

スーはミシェールが席を外した隙にポピーの花言葉をググってみた。

【ポピーの花言葉=恋の予感】

ミシェール
「潔い男に乾杯!」

スー
「乾杯!」


最後の一杯を飲み二人は別れた。

駅裏の公園へビラを配りに行ったマンチェクと無忌は・・・

無忌
「あそこにいる婦警さん、女性にしては腕筋がすごいですね、胸板も厚いし。日本の女性は強そうでいいです」

マンチェク
「最近は婦警も鍛えてるんじゃない。しかしごっつい、まるで男みたいだ」

無忌
「男みたいというより、まさに男です」

マンチェク
「もしかして、女装大会の参加者じゃ?」

無忌
「ということは刑事さん?」

二人は駅前の女装大会特設会場をこっそり覗きに行った。

そこでは、明日開催される前夜祭用のテントが張られ、パレード用に使う神輿の飾り付けをしていた。

マンチェク
「あっち見ろよ。リュウさんもユーロさんもいるよ」

無忌
「女装するのはスー刑事だよね」

二人はテントから人が離れたのを見計らって、近くまで行ってみた。

※※※※※※※※※※
「猥褻防止 女装大会紀要」

「前夜祭 昼間審査 メインイベント」
出演者は必ず女性の服を着る事。
着数は問わない。各自いつ着用するか決めておくこと。
※※※※※※※※※※

マンチェク
「見ろよ、みんな女性の服を着用だってさ」

無忌
「じゃあ、やっぱりさっきの婦警さんも女装だったんだね」

ユーロ
「お?学園の無忌くん?違うか?」

無忌
「変装したはずなのに、バレちゃいました?」

ユーロ
「なにを着てもその眉毛でわかるさ。あれ?そっちはマンチェクだろ?」

マンチェク
「ハハハ」

ユーロ
「なんだその紙?」

無忌
「あっこれは、、、」

ユーロ
「なになに?明日夜、中華饅頭の早食い大会?」

マンチェク
「は、はい。女装大会に便乗して客寄せすれば大勢集まるでしょ」

ユーロ
「なんか企んでないよな?」

無忌
「企んでないです」

上司
「ユーロ、なにしてる?早くこれ運んでくれよ!」

ユーロ
「まぁいいか。だがひとつ言っておくが、気をつけてやれよ。じゃあな」

マンチェク、無忌
「は、はい!」

マンチェク
「ありゃ、なんか気づかれたな」

無忌
「大丈夫かな、どうしよう?」

マンチェク
「大丈夫。内緒、内緒」

学園、昼休み・・・

キョウマは購買部へお弁当を取りに行った。

キョウマ
「おばちゃん!」

おばちゃん
「キョウマくん、約束のお弁当よ!」

キョウマ
「サンキュー」

ひかり
「こんにちは」

キョウマ
「ひかりおばさん、こんにちは」

ひかり
「あら、お弁当?」

キョウマ
「おばちゃんの特製だよ。お腹ペッコペコだ、またね!」

おばちゃん
「コンビニでのことだけど、キョウマくんには話したわ」

ひかり
「話したんですか?」

おばちゃん
「あたしがあのことを隠そうと悩んでたら、キョウマくんが心配して練習中に怪我しちゃったの」

おばちゃんは丘の上でキョウマに話した内容をひかりにも話した。

おばちゃん
「誰かにあの時のことを聞かれたら、今の話をしてあげてちょうだい」

ひかり
「もしまたドニちゃんに聞かれたらそう言っておきますね」

おばちゃん
「なに持ってるの?」

ひかり
「ちょっと新作ができたので見せに来たの」

おばちゃん
「新しい道着?」

ひかり
「じゃーん!体操着にどうかと思って作ってみましたー」

おばちゃん
「それってブルース・リーの衣装でしょ」

ひかり
「はい、トラックスーツです。ミーコさんはどう思う?」

おばちゃん
「あたしはなんとも言えないから、みんなに聞いてみれば」

ひかり
「ダメかしら?ドニちゃんに聞いてみようかな。もう来ました?」

おばちゃん
「今日はまだ来てないけど」

みに
「こんにちは、ガチャガチャの補充に来ました」

おばちゃん
「ひかりさん、ミニキャラ製造社のみにさんよ」

ひかり
「道着セールスレディのひかりです」

おばちゃん
「みにさん、ひかりさんは大お得意様なのよ」

ひかり
「ドニパンキーホルダー目当てでずっとやってるんですけど、全然当たらないんですもの」

みに
「それは有難う御座います。お得意様は大切ですのでこれ差し上げます」

ひかり
「わぁ、有難う御座います」

ひかりはドニパンキーホルダーを手に喜んで走って行った。

みに
「ミーコさんにはこれを差し上げます」

おばちゃん
「どうして君寶キーホルダーが欲しいってわかったの?」

みに
「以前お伺いした時に、奥で彼が主役のDVDを観ていらしたからお好きなんだなと思ったんです」

おばちゃん
「彼はあたしが尊敬する守り神なの。有難う御座います」

みに
「喜んでいただけて良かったわ。ではまた」

購買部横の渡り廊下・・・

ひかり
「あっドニちゃん」

ドニー
「ひかりさん!」

ひかり
「是非見て欲しいものがあるの。これなんだけど」

ドニー
「おぉ!俺が崇拝する永遠の師匠のお召し物じゃん」

ひかり
「まだ試作品なんだけど、体操着にどうかなと思って作ってみたのよ。みんなの意見を聞きたくて」

ドニー
「いいねぇ、俺は賛成。それ預かっていい?みんなに聞いてみるからさ」

ひかり
「ホント?有難う」

ドニー
「じゃあ、二、三日したら連絡するよ」

ひかり
「お願いします!」

教室では・・・

キョウマが弁当を食べているとアンディとトニーがやって来た。

アンディ
「キョウマ、彼女欲しくないか?」

キョウマ
「そりゃ、欲しいけどなんで?」

ドニー
「彼女がどうしたって?」

トニー
「お前は彼女いるんじゃないのか?」

コリン
「女の話か?」

くまきん
「彼女でも紹介してくれるの?」

レンマ
「なんの話だ?」

アンディ
「みんな女性と聞くとこれだよ。実はこの間合コンした女の子から、友だちにも彼氏を紹介して欲しいって頼まれたんだよ」

トニー
「5人探してるんだ」

ドニー
「レンマとマンチェクは彼女がいるだろ。俺、コリン、くま、キョウマ、あと一人か」

レンマ
「集団見合いか?」

トニー
「合コンって言えよ」

キョウマ
「じゃあ是非、童子功同盟のターフーを頼むよ」

アンディ
「決まりだね。じゃあ、明日の夜六時からで店は沽月楼の竹の間だからな!」

チャイム音♪

3時間目、保健体育の授業

ハニー
「今日は遺伝子のお話です」

ドニー
「なに着て行こうかな」

コリン
「やっぱスーツだろ」

アンディ
「相手は女子大生だ。カジュアルで頼むよ」

くまきん
「カジュアルって言ってもジャージじゃまずいよね」

トニー
「確かにジャージはまずいが、着ていく服は大した問題じゃない。要はなにについて会話するかだね」

アンディ
「武術話を熱く語るのはご法度だ」

トニー
「格闘技の話も禁止!」

くまきん
「じゃあ、なに話せばいいの?」

アンディ
「流行のファッションの話題とか」

トニー
「芸術や音楽の話とかさ」

キョウマ
「なんか決められてるのって面白くないな」

レンマ
「それじゃやはり見合いのようだな」

トニー
「第一印象で好感を持ってもらえればハートも掴める」

アンディ
「初めが肝心。それが成功の鍵だよ」

ハニー
「男女の性交によって、、、」

くまきん
「性交が成功?」

ハニー
「くまピー、性交がどうしたの?」

チャイム音♪

ハニー
「今日の授業は終了です。次回は正しい避妊法についてです」

ビラを配り終った二人は学園へ戻ると、無忌は見回りに、マンチェクはすぐにパンのところへ行った。

マンチェク
「パンさん、ちょっと」

パン
「どうした?」

マンチェク
「駅前でビラ配りしてたら、女装大会会場でユーロ刑事さんに見つかっちゃって。ビラを見られたからなんか気づかれてるかも」

パン
「なんか言われたのか?」

マンチェク
「気をつけてやれよって、それだけです」

パン
「私の意志は伝わってるはず。明日、決行するのみだ!」

スーは女装大会を乗り切る決心を、パンはミヤコのためにひと芝居打つ決心を、そして彼女が欲しい若者たちは胸弾ませながら翌日が来るのを待つのであった。


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