『少林学園 武侠兄弟』其の参 外伝ーPolice Enjoy Life&消えた秘技書 前編
  作者: hiyoko&ミコ   2016年05月26日(木) 10時28分27秒公開   ジャンル:総出演
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第五章 by ミコ

翌朝、ミシェールは用務員室を訪れた。

パン
「ミチルさん、どうしました?あいつは洗い物しに行ってますけど」

ミシェール
「いいの、パンさんに話があってきたのよ。実はミヤコの一件だけど天廩署の方にはもう知られてるようなの」

パン
「そ、そうなんですね」

ミシェール
「国をまたいでのことだから、あそこのローグ警視には筒抜けなのよ。でも安心して、くれぐれも大ごとにしないように知り合いに念を押してきたから」

パン
「あいつの性分だとそのことを知ったら、きっと責任を感じて姿を隠すことを考えるんじゃないかって、それだけが気がかりでね」

ミシェール
「わかるわ、その気持ち。ミヤコは脳天気に見えるけど、昔から一人で解決しようとするとこがあるのよ」

パン
「師匠の話では最初、休みを取って一人でなんとかしようとしてたらしいですから」

ミシェール
「このことはミヤコの耳に入れないで」

パン
「わかりました」

ミシェールは教員室へ戻った。

午後から授業が休校のレンマはヒトミとの久々のデートだ。

ヒトミ
「レンから誘ってもらえるなんて嬉しいわ」

レンマ
「午後からは自主練があるけど、今日は君と遊びたくなったからさ」

ヒトミ
「そう言えば来月の演劇祭の衣装を確認に行ったら、着物が一着とカツラがなかったけどどこに行ったのかしら?」

レンマ
「あれは君の義兄さん(にいさん)に貸したよ」

ヒトミ
「なんでまた、、、スー兄さんに?」

レンマ
「署のイベントらしいよ」

と、そこへスーからメールが入った。

スー(メール)
『言い忘れたことがある。あのイベントのことはヒトミと金蔵氏には内密で』

レンマ(メール)
『今話したとこだ。もっと早く言えよ』

スー(メール)
『おいおい、女装させられる上にダンスと唄まで歌えって言われてる俺の身にもなれーーーー!』

レンマ(メール)
『ダンスと歌って出来んのか?』

スー(メール)
『出来るかー!お前ならやるのか?お前もできないくせに!ーーー!』

レンマ(メール)
『今、デートなんだ。じゃあ無事の成功を祈る』

レンマ
「噂をすればのスー兄さんからだった」

ヒトミ
「なんだって?」

レンマ
「女装の上にダンスと歌が追加になってキレてたよ」

ヒトミ
「是非見に行かなきゃね」

レンマ
「そうだな」

一方パンは似顔絵を手に、ホテルや中華飯店、食堂など、二人が立ち寄りそうな店を歩き回っていた。

すると偶然にも通りの向こうに以前のコンビニで見かけた覆面パトカーが駐車しているのを発見したパンは、通りを渡り車の前で待っていた。

しばらくするとパンの予想通り、天廩署の二人が現れた。

パン
「天廩署の刑事さんですね。私は少林学園の用務員でパンと言います」

リュウ
「お顔は存じてあげております。今日はまたなにか?」

パン
「いつも学園のことではお世話になってます。実はお願いしたいことがあってお待ちしてたんです」

ユーロ
「なんでしょう?」

パン
「既にご存知だということを聞きましたが、どうぞ今回の一件は知らなかったことにして欲しいのです。
あっ、お気を悪くなさらないでください。一般庶民になにができる?ってお思いになるのは百も承知です。でもこのことは私がなんとかしてやりたんです。ですからお願いします」

ユーロ
「我々は命令に従ってるだけです。なにか起きてからじゃ、こちらも知っていたのに放置してたのかって言われますからね!」

リュウ
「ユーロ、熱くなるな。そもそも盗難事件とは届けがあって初めて発生します。増して盗まれた側に手を引くように言われてはこちらも動きようがありませんので捜索に関しては手出しはしません。ただ、この地へ逃亡して来たと言う報告があったため、これ以上の被害を食い止めなくてはなりませんので。ホシは凶悪殺人犯ではないという調べもついてますが、くれぐれもお気をつけて」

パン
「有難う御座います」

リュウ
「では」

リュウとユーロはそう言って車で去って行った。

ホッとしたパンは最後に駅前の中華料亭を訪れた。

パン
「最近、この二人の男が来なかっただろうか?」

店員は似顔絵を他の店員にも見せてくれていた。

ジンスン
「あれ?用務員のパンさんではないですか?」

パン
「あなたは新しくいらした生物学の陣内先生ですね。お食事ですか?」

ジンスン
「ここは妻が経営する店なんです」

パン
「そうでしたか。それでは、もしこの似顔絵の男が来たら連絡をください。それと私がここに来たことは内密にお願いします」

パンとすれ違いでアンディとトニーが女性二人とやってきた。

アンディ
「先生こんにちは!」

トニー
「先生もお店を手伝ってるんですか?」

ジンスン
「今日は友人が店でパーティをするので挨拶に来ただけだよ。二人とも彼女連れとはやるなぁ」

アンディ
「最近、合コンで知り合ったばかりなんです」

ジンスン
「じゃあ、美味しいものでも食べてゆっくりしてってくれ」

アンディ
「好きなものを頼むといいよ」

女性1
「アンディくんに任せるわ」

トニー
「キミの好物は?」

女性2
「トニーくんが好きなものならなんでも好きよ」

女性1
「ねぇアンディくん。あなたのお友達も何人か紹介してほしいのよ」

アンディ
「それはいいけど」

女性2
「実は友達にあなたたちの話をしたら、是非、お友達の男性と合コンしたいって頼まれちゃって」

トニー
「そう言うことなら任せてよ。何人集めればいいかな?」

女性1
「5人お願いするわ」

アンディ
「了解!」

沽月楼を出たパンはホテルや旅館の数軒に似顔絵を預け、学園へ戻った。

ミヤコ
「秘技書がなくなって何日か経つのにあれからなにも起こらないわね。盗んだだけであたしのことは諦めたのかしら?」

パン
「それならいいが、、、しかし君にとっては大切な物だ、絶対に取り返さなくてはいかんから私が責任持ってなんとかするぞ。二人がもし向こうに戻り売ることができないよう、法海に頼んで古物商にも手を打ってあるからな」

二人がお茶を飲んでいるとくまきんが慌てて駆け込んできた。

くまきん
「パンさん、すぐ来て!」

パン
「そんなに慌ててどうしたんだ?」

くまきん
「キョウマが練習中に怪我したんだ」

パンとおばちゃんが急いで道場へ行くと、キョウマが腕をかかえ倒れていた。

ドニー
「骨折してんじゃないか?」

パンがキョウマの腕を取り診てみると、肘を脱臼していたので処置を施した。

コリン
「まったくキョウマともあろう者が」

くまきん
「ボォーっとしてたろ?」

キョウマ
「・・・」

パン
「練習とは言え気をつけなくては駄目じゃないか。どうしたんだ?」

キョウマ
「僕の不注意です。パンさん、有難うございました」

そう言ってキョウマは道場を出て行ってしまった。

おばちゃん
「くまちゃん、キョウマくんどうしたのかしら?」

くまきん
「ここ何日かボォーっとしてるんだよ」

パンとおばちゃんはキョウマを追いかけた。

パン
「お前らしくないぞ」

おばちゃん
「そうよ、キョウマくんが練習中にボォーっとして怪我するなんて」

キョウマ
「そう言う二人こそ変だよ!おばちゃんはずっと元気ないし、パンさんはなんかコソコソしてるし!」

パン
「そ、それは!」

おばちゃん
「キョウマくん、二人だけで話そうか」

おばちゃんは心配そうに見つめるパンを黙って促し、キョウマと丘の上へ向かった。

おばちゃん
「キョウマくんが聞きたいこと全部言ってみて」

キョウマ
「先ず、コンビニで薬を飲ませてくれたのはおばちゃんだよね?そしてターフーくんを助けたのもおばちゃんなんじゃない?」

おばちゃん
「そうよ。薬を届けに行ったらキョウマくんが捕まっていたからあたしが薬を飲ませた。そしてターフーくんが危険だったからあたしが救った。それだけのことよ」

キョウマ
「それだけのことよって、おばちゃんは武術ができないって言ってたじゃないか!」

おばちゃん
「できないわ。あれは武術じゃなくて、ただ棒を振り回しただけだもの」

キョウマ
「十年以上も武術をやってる僕に嘘をついてもダメだ。あれが武術じゃなくてなんだって言うんだよ!」

おばちゃん
「キョウマくんも知ってるようにあたしは武侠オタクよ。ずっとDVDを観ながら練習してたら棒を振り回すことが得意になったの」

キョウマ
「おばちゃんが闘った相手は棍術チャンピオンだよ」

おばちゃん
「信じてないようだから全部話すわね。一緒に居たのはひかりさんで、彼女は猿王様の手袋のお陰で闘うことができた。そしてあたしは救える状況にあったから勇気を出してやってみたら勝てた。それが真実で勝てたのはまぐれよ」

キョウマ
「まぐれって、負けて怪我することとか考えなかったの?下手すれば殺されてたかもしれないんだよ」

おばちゃん
「一番近いところにいたし、もしなにかあってもみんなが助けてくれるって信じてたからよ。だからホントにまぐれで倒せたってことよ」

キョウマ
「じゃあ、最近パンさんがコソコソ出かけて行ったり、ミシェール先生が買い物に行ったり、無忌くんとマンチェクが見回りをしてるのはなぜ?」

おばちゃん
「パンさんが出かけていくのは人探しのため、ミシェール先生が買い物に行くのは彼女の希望で行ってもらってるの。無忌くんは事件が続いたから警備を厳重にするためにやってるのよ」

キョウマ
「じゃあ、僕の考えすぎ?」

おばちゃん
「コンビニでのことはいずれキョウマくんには話さなきゃって思ってたのよ。だからそのこと以外はキョウマくんの思い過ごしよ。でもそのせいで怪我させてしまってごめんなさい。最初に心配して来てくれた時にちゃんと話しておけばよかったわね」

キョウマ
「そうだよ、もうー!治ったからいいけど、腕痛かったんだからね!」

おばちゃん
「ホントにごめんなさい。お詫びに明日は特製スタミナ弁当を昼休みに作っておくわ。それで許してくれる?」

キョウマ
「わかったよ」

おばちゃん
「キョウマくん、もし誰かにあの時のことを聞かれたら今の話をしてあげてちょうだい」

キョウマは家に帰り、おばちゃんは用務員室へ戻りパンにキョウマとの話を報告した。

キョウマが家に帰るとレンマが一人で食事をしていた。

キョウマ
「一人でご飯?たまにはマドンナと食事でも行けば?」

レンマ
「お前に心配されずともヒトミとは昼間デートしたよ。そういうお前こそ、いつ童子功を破るのだ?」

キョウマ
「童子功どころかファーストキスの相手が男で、それもよりによってあいつだなんて可哀想すぎると思わない?」

レンマ
「そうだ。法海和尚が言っていたが女性の間に起きたことは、男性に戻った時点でなかったことになるらしい」

キョウマ
「ホ、ホント?」

レンマ
「本当だ、言うのを忘れていた。それより練習中に怪我したんだってな」

キョウマ
「ちょっとした不注意だよ。パンさんに治してもらったからもう大丈夫だよ」

レンマ
「なにか心配ごとでもあったんじゃないのか?」

キョウマ
「それも解決したよ」

レンマ
「おばちゃんのことだろ」

キョウマ
「全部話してくれたんだ」

レンマ
「そうか。これからは気をつけろよ」

キョウマ
「そう言えばスー刑事、女装するんだってね」

レンマ
「署で犯罪防止のイベントがあるらしいよ」

キョウマ
「面白い署だね。今日は疲れたよ、シャワー浴びて寝るね。おやすみ!」

その頃学園では・・・

ウミノシン
「不審物が侵入しかけ守衛が怪我を負った。見回りをしていた無忌とマンチェクがすぐに気づき追いかけたが逃げられてしまった」

パン
「あの二人の仕業ですかね?」

マンチェク
「黒覆面姿でしたが、追いかけた時に頭巾を脱がせたんです」

無忌
「坊主頭の男と化粧をした男でした」

ウミノシン
「とうとう姿を現したな。守衛は耳飾り型の投げ鋲で腕を刺されていたそうだ」

パン
「暗器の使い手ですか」

ウミノシン
「一体今まで、どこに潜んでいたのだろうか?」

パン
「この季節なら雨さえ凌げればどこでも寝られますが」

無忌
「寝るのは外でもいいけど、お腹は減りますね」

ミヤコ
「無忌くん、いいこと言うわね。食事こそ絶対不可欠よ」

パン
「中華料理店も何軒か回ったが手がかりがなかったんだぞ」

無忌
「ではそこに来るように仕掛けると言うのはどうでしょう?」

マンチェク
「例えば?」

無忌
「無料でたらふく食べられる、、、おまけに食べ尽くせれば褒美が出るとか」

ミヤコ
「いい案ね。時間内で全部食べたら無料!そして優勝者には賞金も出る。これでどうかしら?」

ウミノシン
「いい案だがそんな店があるのか?」

ミヤコ
「ないなら自分でやるというのは?」

パン
「そうだ!生物の陣内先生のお店に協力してもらえるか頼んでみましょう」

ミヤコ
「そう言えばミチルから聞いたんだけど、近々犯罪防止のイベントがあるんですって。それに乗じてこっちもやるってどうかしら?」

マンチェク
「警察がいることを知ったら余計に現れないんじゃ?」

無忌
「腹が減っててお金がもらえるってなれば来るよ」

ミヤコ
「変装の名人だもの。その辺は用意周到で現れるわよ」

ミヤコは早速ビラを作り始めた。

【中華饅頭早食い王者に挑戦!
三十分で五十個食べ尽くせればお代は無料。更に王者に勝てれば賞金五万円!
中華饅頭早食有,挑戰帝王!
如果能把50個在30分吃光的話,費用免費!
如果早食有,對帝王勝利的話,賞金是5萬日圆!】

無忌
「でもこんな紙見たら人が大勢来ちゃうね」

ミヤコ
「参加出来るのは二人にくじ引きで決めて早食い王者のパンさんに挑戦させるの。もちろん当たりくじは二人が引くように仕掛けしてね」

ウミノシンは早速、陣内に電話で相談を持ちかけたところ、明日の夕方までに中華饅頭を作ることと店の提供を引き受けてくれた。

ミヤコ
「じゃあ明日、無忌くんとマンチェクくんはビラ配りをよろしくね」

後編に続く、、、
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